石破首相、米関税「国益守り抜く」=立民代表、首脳協議提案―8党首討論・参院選3日公示【25参院選】

 第27回参院選は3日公示され、20日の投開票に向け17日間の選挙戦に入る。与野党8党首は2日、東京都内で日本記者クラブ主催の討論会に臨み、日米関税交渉や物価高対策などを巡り論戦を交わした。石破茂首相(自民党総裁)は難航している関税交渉について「何としても国益を守り抜かなければならない」と訴えた。
 昨年の衆院選に続き、参院でも与党が過半数を割った場合の政治責任について、首相は「結果は真摯(しんし)に厳粛に受け止めるのは当たり前の話だ」と述べた。立憲民主党の野田佳彦代表は「首相がどういう(進退)判断をされるか。首相指名選挙が行われるかなど状況を見ながら臨機応変に考えたい」と語り、政権交代に意欲を示した。
 関税交渉に関し、野田氏は「ゴールポストが遠ざかっている」と指摘。自由貿易を掲げる各国と連携しつつトランプ氏と直接交渉に臨むよう求めた。これに対し首相は「日本は米国における世界最大の投資国で雇用を生み出している。他の国とは訳が違う。基本は関税よりも投資ということだ」とかわした。
 日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は、「関税で米国内も苦しい状況になる。焦って交渉するより有志国、同志国との取引を広げ、一定(期間)耐えられる経済を目指すべきだ」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表は、高関税が現実となれば「わが国経済は甚大な影響を受ける」として、消費税の一律5%への引き下げを求めた。
 物価高対策を巡り、共産党の田村智子委員長は消費税減税を掲げ、代替財源として大企業、富裕層への税優遇見直しを迫り、与党は「無為無策が過ぎる」と批判。野田、吉村両氏も消費減税を主張した。れいわ新選組の山本太郎代表は「消費税廃止と、つなぎの給付金10万円」、参政党の神谷宗幣代表は減税と積極財政を打ち出した。
 首相は自民公約に盛り込んだ2万~4万円給付への「バラマキ」批判に対し、「困っている人に早く届くことを目指している」と反論。減税で代替財源を確保できるのか疑問視した。公明党の斉藤鉄夫代表は「物価高対策で消費税率を上げ下げするのは邪道だ」と批判した。 
〔写真説明〕日本記者クラブ主催の党首討論会を前に握手を交わす各党党首。左から参政党の神谷宗幣代表、共産党の田村智子委員長、公明党の斉藤鉄夫代表、立憲民主党の野田佳彦代表、石破茂首相(自民党総裁)、日本維新の会の吉村洋文代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、れいわ新選組の山本太郎代表=2日午後、東京都千代田区

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