
プロ野球日本シリーズの取材証をフジテレビから没収するなどしたことは独禁法違反(不公正な取引方法)の疑いがあるとして、公正取引委員会が、日本野球機構(NPB)を調査していることが30日、関係者への取材で分かった。公取委は既にNPB関係者から話を聴いているとみられる。
関係者によると、昨年の日本シリーズは10月26日~11月3日に開催されたが、フジテレビは同シリーズの中継時間帯に、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手らが出場するワールドシリーズのダイジェスト番組を放送。NPBはこれを理由に「信頼関係が著しく毀損(きそん)された」として、日本シリーズの取材証を没収した。
NPB側はその後の同9、10日に行われた日本代表「侍ジャパン」の強化試合でも、同局に取材証を発行しなかった。
公取委はこうしたNPBの行為が、フジテレビの取材機会を損なったことに加え、放送局の番組編成を制約した恐れがあると問題視。大リーグ機構(MLB)とフジテレビとの取引を妨害したとして、独禁法が禁じる「取引妨害」などに該当する可能性があるとみて調べを進めている。
NPB広報は「現時点でのコメントは差し控える」としている。
〔写真説明〕日本野球機構(NPB)のロゴ