「民泊」ならぬ話題の「伝泊」とは? 新潟県佐渡の伝統文化を体験

新潟県の佐渡島は四季の変化に富み、「日本の縮図」と言われるほど南北の植物が自生する珍しい島です、また、日本最大級の金銀山として知られ鉱山技術をみることができる遺跡があるなど、世界文化遺産候補地にも挙がっています。そんな佐渡で伝統的・伝説的な建築を次の時代につなげるための宿泊施設「伝泊」が話題となっています。

「伝泊」は東京の建築設計事務所のアトリエ・天工人の山下代表が発案し、伝泊・奄美として奄美大島で昨年末始まった事業で、空き家が3000棟あるといわれている佐渡島で「伝泊・佐渡」を開始しました。「伝泊・佐渡」はアトリエ・天工人とandfujiizaki一級建築士事務所の共同運営となっており、宿でのお出迎え、案内等は地元集落の方々が行っています。

「伝泊」では、佐渡島の伝統建築の特徴として次の7ヶ条を挙げています。

1、集落によって異なる建物配置
2、オマエ(御前)のある平面構成
(※オマエは現代の居間にあたる場所で、伝統行事におけるハレの日の空間、神様のいる場所とされていました。)
3、地産材(あてび、ケヤキ、地松)を大らかに使った骨組みと意匠
4、土間の空間
5、昔ながらの屋根葺き材 (能登瓦、茅葺き、木羽葺石置屋根)
6、木張りの外壁と杉の根元部分の曲線を生かした破風(はふ)
7、自然から耐える知恵(防風林、竹柵)」

この条件を半分以上満たし、かつ築約50年以上の建物を「伝統的建築」、この条件を満たさずとも地元に根ざし愛された建物を「伝説的建築」として、これらを保存していくために、宿泊施設として活用をしています。

また、宿泊以外にも美しい小佐渡の自然の中、佐渡の人と共に日蓮上人をしのぶ道を歩く「トレッキングコース」や、農作物の収穫のお手伝いを行う「農家体験コース」など、集落に宿泊しながら、住んでいる方々と交流を楽しむことができます。

伝泊「ぐるり竹とたらい湯の宿 カネモ」は、佐渡で古い町並みが残り今も古い屋号で呼び合っているという「屋号の里」松ヶ崎地区に位置していて、築100年以上の「カネモ」という屋号の民家を改修したものです。宿では、集落内にある昔の味噌屋さんに残されていた味噌樽や地元の竹やぶから切り出した竹を利用してつくった「たらい湯」で、満点の星を見ながら露天風呂を楽しむことや、佐渡の旬の食材を使った朝食を味わうことができます。

これからの季節は冬になりますが、佐渡の通は冬こそ楽しむといわれています。是非伝統文化を味わいながら佐渡の魅力に浸ってみてはいかがでしょうか?

externallink関連リンク

伝泊・佐渡 http://den-paku.com/sado/
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)