東武東上線の「斬新な新型車両」がスゴい! “おでこが出てる”特殊形状で車内も変化!既存車両の動向は?

東武東上線に、9000系車両の代替車両として新型車両の90000系が導入されます。これまでの車両とは何が違うのでしょうか。

製造メーカーは日立製作所に

 東武鉄道は2025年3月26日、9000系車両の代替車両として、新型車両の90000系を2026年から導入すると発表。イメージも公開しました。これまでの車両とは何が違うのでしょうか。

 90000系は今後、10両編成が7本、計70両が導入される予定。東武鉄道によると「製造は日立製作所が担当」(広報部)するといいます。東武鉄道では、50000系と60000系が日立製作所、70000系と80000系を近畿車両が製造しており、再び日立製作所が通勤車の製造を手がけることになります。

 先頭形状は、東上線沿線における人や物流のルーツが荒川や新河岸川の舟運にあることにちなみ、「高瀬舟」に着想を得た“逆スラント形状”となることが特徴です。滑り台のように上から下へ傾斜がついた“スラント形状”の電車は多いですが、今回はその“逆”で上方が出っ張っています。

ドア窓は従来車より床方向へ大幅に拡大され、より開放的な客室空間となるそうです。車両の連結面にあたる貫通引き戸両脇部や、袖仕切り部がガラス化されるのは70000系や80000系と同様です。

LCD(液晶ビジョン)は全ドア上に設置へ

 車内も「舟運」をイメージしたデザインで、公開された車内のイメージを見ると2画面のLCD(液晶ビジョン)が千鳥配置の80000系と異なり、全ドア上にあるように見えます。東武鉄道は「実車もイメージ通り、LCDは全ドア上に設置される予定です」(同)と話します。

 東武東上線では、9000系や10000系、30000系があずき色の帯で、50000系はシャイニーオレンジのフィルムが側面の戸袋部に貼られています。90000系はそれらとは異なり、前面とドアに青系の塗装が配される形となります。

 代替される9000系は東武東上線だけでなく、東京メトロ有楽町線や副都心線、東急東横線・みなとみらい線にも直通するため、90000系も直通先に乗り入れることになります。9000系は私鉄では珍しい電機子チョッパ制御ですが、その特徴的な走行音を奏でる車両も見納めとなります。

 なお、90000系は「フルSiC(炭化ケイ素)のVVVF制御装置」など最新の省エネ機器を採用し、消費電力を9000系車両と比較し40%削減できるとしています。

 東武鉄道によると、9000系をベースとしたVVVF車両である9050系の動向や、90000系を当初計画の70両以上増備するかについては現時点では未定とのこと。東武東上線では、リニューアルを受けていない10000系なども残っており、これらの車両の動向も気になるところです。

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