秋の味覚、広瀬すずさんも大好きなさつまいもを食べ比べ

涼しくなり秋がやってきました、秋といえば「食欲の秋」です。秋の旬といえば、栗、梨、ぶどう、さつまいも、松茸、と一年でも実り多い季節です。そこでおいしいさつまいもを調べてみました。最近では女優の広瀬すずさんがさつまいも好きをツイッター頻繁に公言しており、バラエティ番組で広瀬すずさんのさつまいも好きが放送され最近話題の秋の味覚です。

街のスーパーでは何種類もさつまいもはなかなか売ってません、そこでさつまいもといえば「薩摩=鹿児島」に注目、鹿児島県は作付け面積1万2千ヘクタール、収穫量が約32万トンと、全国1位のサツマイモ王国です(※1)(ちなみに2位は茨城県約17万トン、全国合計は86万トンです。)。そこで東京・日比谷にある鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館」を訪れると色々なさつまいもが売っていました。
※1:農林水産省資料「平成28年産かんしょの収穫量」を参照

さつまいも

今回入手した、さつまいもは「高系14号」「種子島ゴールド」「案納紅」「コガネゼンガン」の4種類です。今回の調理方は「蒸」、さつまいもに限らず、野菜の味を最も素直に楽しめるのは蒸すことです。今回は同じ条件の蒸し芋にして試食することにしました。

■高系14号 西日本のスタンダード

高系14号は高知県の農事試験場で早掘り用品種として選抜育成された品種で「東のべにあずま、西の高系14号」といわれるほど、西日本の広く栽培された品種です。またこの多くの品種の母体となっており、有名な「なると金時」「べにさつま」「宮崎紅」などは高系14号から選別された改良品種です。まさに西のさつまいもの基準となっている高系14号は作付け数でもべにあずまに次ぐ全国2位(※2)早堀に適しているということです。
※2:農林水産省資料「かんしょうの動向28年度版」を参照

 

高系14号

見た目も紅色でふっくらまるみをもったスタンダードな形です。蒸かしてみると、割りやすくほっこりとした肉質です。味は控えめのすっきりした味わい。筋がすくないため、食べやすく、ややねっとりした食感です。また、食べてみた時の香りが4つの中で一番強い印象でした。冷えてもあまり味が変わらないのも驚きです。水分も感じることができるくらいあります。

高系14号

 

TheNews 独断調査班評価【甘さ:1、食感:2、皮:1、水分:2、冷えてから:3(3段階評価)】

■コガネセンガン 黄金に輝く気品

コガネセンガンは漢字では「黄金千貫」と書き、農林省九州農業試験場で育成された品種です。名前は「黄金色のイモがざくざく」ということから由来しており、鹿児島県ないのさつまいもの中では最も多く作られている品種で、いも焼酎の原料としても利用されています。食用というより加工用として利用されることが多く、焼酎だけでなく、カリントウやでんぶんなどの原料になるということです。

コガネセンガン

見た目はやや細長く、光が当たるとその名のとおり、黄金色に輝いて見えます。肉質はほっこりしており、まるで栗のようです。秋の味覚としてさつまいもとよく対比されがちな栗は、さつまいもより上品だと評価されがちです。しかしコガネセンガンは栗のように上質で甘さ優しい味わいです。食感はほろほろと崩れ、口のなかですっと消えていくのが特徴的でした。皮は薄いですが、やや繊維があり、食べづらく苦手な人もいるかもしれません。冷えるとやや味が薄いと感じるかもしれません。

コガネセンガン

TheNews 独断調査班評価【甘さ:2、食感:1、皮:1、水分:1、冷えてから:1(3段階評価)】

■種子島ゴールド 伝統の紫芋 冷めても食べやすい

種子島ゴールドは機能改善作用の効果があるともいわれているアントシアニンを多く含んだ品種です。種子島は日本で初めてさつまいもの栽培が成功した土地で、古くからいろいろなさつまいもが栽培されてきました。種子島紫芋として栽培されていたものを、鹿児島県が平成10年に「種子島ゴールド」として品種登録したということです。

種子島ゴールド

見た目は先述のコガネセンガン同様に黄白色ですが、中はやや白身が混じった、鮮やかな紫芋です。この果肉は蒸かすと鮮やかな紫色になります。皮はやわらかく皮のまま食べることができます。口に入れると独特のやや控えめの甘さを感じ、やや苦味があるという方もいます。冷めても皮が薄いため食べやすいのが特徴かもしれません。食感はほくほくしており、水分はやや少なめですが、こちらもぼろぼろとお菓子を食べているようです。

種子島ゴールド

TheNews 独断調査班評価【甘さ:1、食感:3、皮:3、水分:1、冷えてから:3(3段階評価)】

■安納紅 王者の風格あふれる最高の甘さ

安納紅は蒸しても焼いても美味しいと人気のさつまいもです。この芋も種子島で栽培されています。太平洋戦争後、スマトラ島から引き上げたきた人がもってきたのが由来とされています。このように比較的新しい品種で、「安納いも」としてさつまいもと区別されることがあります。実際に他のさつまいもと違い、糖度がとても高く、粘性も強いのが特徴です。

安納紅

見た目は丸みを帯びており、他のさつまいもより小ぶりです。色はうすい紅紫色です。蒸かしてみると、強い甘い香りが漂います。割るともっちりとして鮮やかな黄色の果肉が現れます。食べてみるとクリーミーな食感と、驚くほどの甘さが口に広がり、人気に納得の味です。水分も多くしっとりしており、また皮だけ食べても美味しいです。冷めるとやや硬くなりますが、甘さはさらにあがります。

安納紅

TheNews 独断調査班評価【甘さ:3、食感:2、皮:3、水分:3、冷えてから:3(3段階評価)】

■人気に納得の王者・安納紅

今回4種類のさつまいもを試食したところ、やはり王者「安納紅」の存在感が光りました。「安納紅」は最近では偽者が出回るほどの人気で、本場種子島では注意を促しているということも頷けます。また調査班として発見だったのが、「コガネセンガン」でした。主に加工用として利用されている品種と知られていたため、そのまま食べた場合はやや不安だったのですが、上品な甘みは驚きでした。
食欲の秋、いろいろな種類のさつまいもを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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