速読法は意味がない!?本来の意味での速読とその方法とは?

誰もが一度は抱えるであろう「もっと効率よく読書ができたらいいのに…」という悩み。それを反映するかのように書店には速読法に関する多くの書籍が並んでいます。しかし速読とはなかなか難しいものであり、早く読めても内容が頭に入っていなければ意味がありません。本当の速読とは何なのか、その目的と方法について考えてみましょう。

速く読めるだけじゃ意味がない!
教養を広めるためにはもっと読書をすべし、と頭で思っていても、なかなか読む時間が取れないことがあります。忙しい現代人にしばしば課されることは、日常生活において全てを効率よくこなしていくこと。それは読書も同じといえ、効率の良い読書法、つまり速読に関心を持ち試みる人は多くいます。しかし速読は簡単なことではありません。速読を行う上でつい忘れてしまいがちなのは、読書の一番の目的である、本の内容を理解し吸収するということ。速読するのと同時に、本の内容を咀嚼して自分のものとしていかない限り、速読をする意味はないのです。

世の中によくある速読法、でも無理なことも
人間が一定の時間内に読める文字数には限界があります。一般に見かける速読法には随分と誇張されているものもあり、実際に人間が読むことができる速さからは考えられないものもあります。もし内容を理解することなく「ただ読めば良い」というのであれば別ですが。本の内容を把握しながらいうのであれば、それなりの時間がかかるものです。

世間で一般に速読法の基礎とされる方法は、大きく3つに分かれます。しかしこれらには正しいと言えるものもあれば、そうではないものもあります。よく1つ目に言われるのは、瞬間ごとにできる限り多くの情報を取り入れること。文字を塊として捉え、フレーズ、段落、ページ全体というまとまりで、パパッと内容を捉えることが大切であると説かれています。しかし人間の視覚は狭く広範囲で文字を捉えることができません。内容を理解するにはそれなりの時間を要します。

2つ目に言われるのは、読むときに音読するのをやめることです。文章を読むとき、多くの人が無意識のうちに 頭の中で文字を音に変えています。実は音に変換してしまうと時間がかかり読書スピードが落ちることは、これまでの多くの研究で明らかになっています。読書スピードを速くする秘訣の一つとして、頭の中で文字を音に変えない、その代わり一種のコードとして捉えていくようにすると、速読につながっていきます。

速読法の3つ目として、無駄な眼球の動きをやめるように説かれていることがあります。文章を読みながら、すでに読んだ部分に目が引き返すことを問題としていますが、これに関しては、ある程度は仕方のないことでしょう。文章とは一方通行だけに読んで行けるほど単純なものではありません。途中様々な単語や文章が挿入され、倒置されることもあり、これらが絡みながら文脈が作られていきます。内容を正確に理解していくためには、眼球が前後に動いてしまうのは致し方のないことでしょう。

読書で本当に必要な速読法って?
人間の限界を考えれば、ある種の速読法には無理があることを理解しておくべきでしょう。では速読することは無理、諦めなくてはならないのでしょうか。いえ、そんなことはありません。本当の意味での速読、本の内容を頭に入れながらの速読を訓練するためには、本をたくさん読んで経験を積むことしかありません。速読とは結局のところ、どれだけ読む力、理解するスピードを上げていくかに尽きるのではないでしょうか。そのためにはまず「書き言葉」に慣れる必要があります。本を読むためには、話し言葉を知っているだけでは不十分、多くの語彙力を必要とし、また複雑な文章構造に慣れておかなくてはなりません。

これらに足を引っ張られずに読めるようになると、読書スピードが上がっていきます。また本を読んで知識の積み重ねができているほど、本の土台となる背景や状況、著者が言わんとすることを短時間で理解できるようになります。さらにはすでに培った知識をもとに、理解を深めていくこともできるでしょう。速読はうわべだけの訓練ではなかなか到達しないもの。初めのうちは時間がかかっても仕方がありません。でもとにかくたくさん読む!をモットーに、様々な分野の本に慣れ、速読できるように頑張ってみませんか。

writer:Akina

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