食の季節はお酒もチェック!酒蔵の持つストーリーを大切に…「ひやおろし」シーズン開始 まるごとにっぽん「蔵」

東京都・浅草にある「まるごとにっぽん」は地域貢献、震災復興などを目的とした商業施設で、「全国の隠れた名産品」を販売しています。その中の一つ、まるごとにっぽん直営店舗である「蔵」は、目利きのバイヤーたちが選りすぐりの商品を揃え、商品を通して生産者の方々が大切にしている想いをお客様に届けるコンセプトで運営されています。

「ふるさとのご馳走、にっぽんのご馳走」をテーマに、地域の資源を生かした特産品など約2,500点を販売し、また、流通の少ない約300種の日本酒や国産ワイン、焼酎などのアルコール類も販売しています。今月から「ひやおろし」販売が始まったということで、担当バイヤーの藤生さんにお話を伺ました。

◆「ひやおろし」って?


春から夏にかけて酒蔵で熟成したお酒は、夏が過ぎ、気温が下がった頃に味・状態がガラッと変わります。そのタイミングで、一度だけ火入れをし、熟成感が出てくる9月初旬に2度目の加熱殺菌をしないまま「冷や」の状態で卸し、出荷したのが「ひやおろし」です。秋限定で9月9日、重陽の節句が解禁日。この日は、酒に菊の花びらを浮かべ菊酒を呑んだと謂われることから「ひやおろしの日」とされています。今回は、藤生さんに4種類の「ひやおろし」をご紹介頂きます。

◆天の戸 秋田県横手 1,480円(税別)

 

秋田県横手の酒蔵で製造される天の戸は少量しか作られないため、「蔵」では再入荷をせず、売り切れ次第終売の限定品として販売しています。酒蔵から半径5km以内の自らが田植えた自社米と、酒蔵から50mほど離れた湧き水を使用して造ったひやおろしは、秋田ならではの優しい味わいです。

◆真野鶴 新潟県佐渡 1,300円(税別)

新潟県佐渡島で製造される真野鶴は、米どころの佐渡においても収穫量が少ない「山付きの米」を使用しています。佐渡島は島全体で国の特別天然記念物トキとの共生を掲げており、材料となる「山付きの米」もトキが食べても問題ないように農薬がほとんど使われておりません。味は端麗で辛口の稀少なひやおろしです。

◆十旭日 島根県出雲 1,010円(税別)

蔵元の旭日酒造は、島根県出雲市出雲大社の近くにあります。島根県産の米「五百万石」を使用した十旭日は、限定12本のみ販売。500mlサイズで値段も手頃な為、昨年は即完売しました。味わいは、ひやおろしの中では一番辛口、すっきりとしています。この酒造は、酒造りの長い伝統の中では珍しく、女性が杜氏を務めています。
(※編集部注:女性がお酒をつくる物語としては、佐藤夕美子さんが主演のNHK連続テレビ小説「甘辛しゃん」や、和久井映見主演のドラマにもなった漫画「夏子の酒」が有名ですが、どちらも杜氏ではありません。そのくらい女性の杜氏は珍しかったようです。)

◆菩提酛 岡山県真庭 1,290円

菩提酛は、昔の製法で、蔵付き酵母という蔵についている麹菌で作ります。時代と共に6合酵母、7合酵母で作るところが増えてきているのですが、菩提酛は、蔵に住みついた微生物で作ります。「山廃作り」「きもとづくり」とあるのですが、一番古いものが、室町時代から作られている「菩提酛」です。岡山県和庭郡にある辻本店が製造しており、十旭日と同じく女性杜氏の酒蔵です。旨みがあり柔らかく、少し酸もあり穏やかな飲みやすい味わいです。また、熱燗にしても美味しくいただけます。

◆ストーリーのある酒蔵から
藤生さんには、元々酒蔵で働いていた経験ならではのこだわりがあります。できるだけ昔からの製法を守り、地元のお米や昔ながらの米麹を使うなど、それぞれの地方の特色を活かした酒蔵や、震災復興に励んでいる酒蔵など、独自のストーリーをもった話題性のある酒蔵の清酒を取り扱うということです。
「蔵」では11月の終わりまで、様々な銘柄のひやおろしを順次売り切りで販売していく予定です。

externallink関連リンク

まるごとにっぽん https://marugotonippon.com/
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)