南米ペルーの地で困難を乗り越えた千葉県出身の貿易商人【シリーズお墓から郷土の偉人発見 VOL.8】

グルーバル化が促進する昨今、貿易は日本の生命線ですが、今回は千葉県小湊村出身の貿易商人・石井由蔵さんを紹介します。

千葉県小湊村出身の石井さんは。1907年1月に青雲の志しを立て、南米ペルー国に渡り、行商より事業を始めました。日本を遠く離れた地での事業は困難の連続だったといいますが、石井さんはあらゆる困難を克服し遂に商店を設立しました。1915年には帰国し妻・多津さんと結婚しましたが、胃潰痛の大手術を受けたといいます。

1927年には家族を日本に置いて、三度渡秘し、商店も株式会社兄子商会と改め、社長として経営にあたりました。翌1928年には帰国し日本とペルーの貿易商として業務を統轄し業績を上げました。しかし、当時は第二次世界大戦が勃発しており、戦乱のなか太平洋を主とした貿易の路は断たれ、資産凍結の状態になります。さらに加えて、1944年には陸軍中尉だった長男の石井由清がフィリピン海戦にて亡くなるという不幸に見舞われます。 戦争が終わっても、貿易商への復帰をせず、1946年1月には帰依し有婆塞(うばさく=優婆塞:仏教徒の在家信者)に列しました。1958年に亡くなりました享年77歳でした。

墓所正面には和型「石井家之墓」と刻まれており、左側の墓誌に石井由蔵さんの略歴が刻まれています。戒名は白牙院瑞由日蔵居士。妻の多津さん(墓石には「多つ」と刻む)、長男の由清さんも刻まれています。墓石の右面には由清さんの略歴が刻まれており、墓所右手には石井欣二さんの略歴が刻む墓誌が建つ。

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◆取材協力
歴史が眠る多磨霊園
http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/
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