“プッツンダボ”も「違う国に来たと思って(笑)」 原英莉花の“超異質グリーン”との向き合い方

<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 3日目◇9日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>

2日目のラウンドを終えトータル4オーバーだった原英莉花。その時点で2オーバーに引かれていたカットラインの突破は「きついかなと思ってました。風もあまり吹いてなかったので」と諦めていたが、午後組が伸ばせなかったこともありギリギリの59位タイで“生還”した。
「飛行機も変更して、荷物も1個送っちゃって。私はトレーニングにさっさと行きました(笑)」。まさに望外の決勝ラウンドだったことがうかがえる。そして「きょうがあっただけラッキー」という3日目は、猛暑の影響で砂混じりになり、硬さ、速さが増したグリーンはその難易度をさらに上げていた。

後半の5番パー3で叩いたダブルボギーも、その影響だ。ティショットはピン横のカラーに乗せたものの、15メートルのバーディパットは下り傾斜で滑るように9メートル下まで転げ落ちた。「横から、45度くらいふくらませてもダメでした。つけちゃいけないところにつけるとこうなる。ショットが悪かったですね」。上りのパーパットも1メートルオーバーし、軽く触れただけのボギーパットもまた1メートル以上カップを越えた。

「プッツンって切れました(笑)」。だが、こんな怒りが、その後の力になる。6番で残り50ヤードの2打目を1メートルにつけバーディを奪うと、7番で2メートル、さらに8番では右奥から6メートルを叩きこんで3連続バーディとした。トータル2オーバーで、順位も33位タイまで上げる。

暑さに加え、神経を使うグリーンは体力を削る。だが天候の影響によるグリーンコンディションの悪化は「仕方ないこと。いい意味で諦めじゃないですけど開き直っているので、そこまで精神的な疲労はない」という気持ちで向き合っている。「仕方ないし、面白いですよ。違う国に来たと思ってます(笑)」。こうして3日目のパット数も27回に抑えた。初日が33回、2日目が37回だっただけに、「グリーンにも慣れてきました」という手ごたえもつかむ。

2020年に制した「日本女子オープン」、「JLPGAツアー選手権リコーカップ」に続く、史上11人目のメジャー3冠は厳しい状況だが、この後には歴代王者として臨む大舞台も待っている。さらに10月には来季米国ツアー出場権をかけたQスクールのセカンドステージ(10月17~20日、米フロリダ州)も控える。「ショットの調子はある程度いいと思うので、いいスコアで回って帰りたいですね」。5月に受けた腰の手術の不安を感じさせないプレーを、初めてきた長崎県のファンの前で最後まで続けていく。(文・間宮輝憲)

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