10年に1度!? レインボーブリッジの「頂上」が公開 東京の臨海部「上から見る」体験 倍率73倍の絶景に「運を使い果たした…」

都心とお台場方面をむすぶ吊り橋「レインボーブリッジ」。その「主塔」の頂上の見学ツアーが行われました。滅多に上がることのできない場所、どんな景色だったのでしょうか。

レインボーブリッジ開通30周年を記念したイベント

 都心とお台場方面をむすぶ「レインボーブリッジ」。首都圏では最大級の「吊り橋」で、道路部分(橋桁)を吊るすための支柱「主塔」は高さ126mに達します。 その主塔のてっぺんへ登ることができるツアーが、8月26日に開催されました。このイベントは開通30周年を記念しておこなわれたもので、これまで10周年、20周年などキリのいいタイミングくらいでしか実施されなかった、かなりレアなものです。 参加者は24人、応募者1753人から73倍の抽選で選ばれました。今回、そのツアーに同行することができました。

 明石海峡大橋とは違い、レインボーブリッジは当初から「見学用」に作られておらず、設備は最小限です。それで見学会もほとんど行われてきませんでした。今回も、数名ごとに昇り降りする形でした。 2本ある主塔のうち、都心側(芝浦)の陸上にあるほうに登ります。主塔は柱2本で構成され、漢字の「円」のような構造です。見学できるスペースは左右それぞれの柱の頂上にあり、見学者は左右の柱の入口から順次入っていきます。 柱の中に入ると、頂上へ向かうエレベーターに乗ります。このエレベーターが、想像を超える狭さで、ほぼ1名分、ぎゅうぎゅうに詰めて4人が限界です。例えるなら「公衆電話ボックス」がちょうどいいでしょう。 このエレベーターも含め、主塔内はとても受け入れ態勢が整っていないことから、一般人向けの公開イベントを頻繁に開催していくのは難しいといいます。また映画のロケなども、安全を考えて橋を通行止めにする必要があるなどの理由で、基本的に許可を出していないそうです。 さて、ズドン!ゴトン!と音を立ててエレベーターは上がっていき、「8階」に到着。そこから鋼材をくぐりぬけるように通路と階段を抜ければ、頂上に到着です。

レアな絶景ひとりじめ 頂上の景色に感動

 そこは見学スペースというより、管理用の色々なものが置かれている部分を簡易に囲ったような場所です。風が吹き抜ける中、視界に入ったのは大パノラマでした。 東側の風景は、真下をまっすぐ抜けていく道路と、こちら側へ駆け上がってくる主ケーブル。それらのあいだには、まるで楽器のハープのように、無数のハンガーケーブルが渡されています。それ以外は海が広がり、船が小さく行き交うのが見えます。 西側の風景は、目の前に大きく「芝浦ループ橋」が見えます。ループが作られた理由は、最大高さ50mにもなる橋桁と地上との高低差を、最小限のスペースで行き来するためです。新交通システム「ゆりかもめ」がループをぐるりと回っていく姿を、上から見下ろすのは、新鮮な感覚です。「晴れた日は、横浜ベイブリッジも見えます」と首都高のスタッフは話します。 ふと見ると、見学スペースから外側へ、小さな階段が下りていくのが見えます。これは主ケーブルを点検するためのもので、階段はすぐに終わり、そこからは丸断面の主ケーブル上を歩いていく必要があります。首都高の職員も体験したことがあるといいますが、やはり一部は「無理です」と断念した人もいるとか。 さて、ツアー参加者は思い思いに興奮気味に写真を撮っていました。地上に下りたあとも「怖いのを忘れて、景色に見とれてしまいました」「東京タワーから東京スカイツリーをはじめ、東京の街を一周見下ろすことができた。ジオラマよりも”本物”の景色でした」と話す参加者。SNSでツアーの存在を知り「これは申し込むしかない」と思い、念願かなった男性は「これで運を使い果たしたな…」と感慨深げでした。 首都高の管理事務所長は「開通から30周年を迎え、計画的な補修や大規模修繕などを経て、無事ここまで来れました。申込された方々からいろいろな暖かいメッセージをいただき、私達の励みになっています。これからも皆様に愛されるような橋となるようにしていきたいです」と話しました。

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