季節の魚の代表となったメジカの新子

高知県須崎市周辺ではメジカと呼ばれるマルソウダガツオの幼魚を刺身で食べる習慣があります。一般的にメジカ(マルソウダガツオ)は刺身で食べるとあたると言われます。

そんなメジカですが、8月の後半から9月の初めにかけ須崎湾のすぐ沖合に新子やローソクと呼ばれるメジカの幼魚が接岸します。大きさは100グラムから150グラムで、めじか曳縄釣り漁業といわれる疑似餌を使った釣り針の漁で獲られます。

一昔前まではメジカの新子の刺身は漁師だけの特権でした。釣ったばかりのメジカの新子を三枚におろし、節状にして皮無しや皮付きで血合いを取り、ブシュカンと呼ばれるミカンの表面を大根おろしで擦ってふりかけ、そして身に汁を絞り、醤油で食べていました。鮮度のいいメジカの新子はモチモチしてびっくりするほど美味しい魚です。

やがて新子は須崎市の魚屋や久礼大正町市場などで売られ始め、知る人のみが食べるマニアックな刺身でした。その新子にスポットを当てたのが須崎市でした。

9月の週末に須崎市の魚してと『新子祭り』というイベントを企画し、地場の名産品と共に、その場でさばいたメジカの新子を刺身で提供するという催しを開催しました。この新子祭りは年を重ねるごとに口コミで広がり最近では新子の刺身を食べるのに2時間待ちも覚悟という状況になっています。

2017年度はさらに活気を帯び、新子が出回りだすとテレビなどのメディアで頻繁に取り上げられ、高知県ではサンマよりも新子というくらい旬の魚の代表にのし上がっています。このまま新子祭りに突入すると相当な人手が予想されます。メジカの新子を食べる目的で須崎市や久礼地区に通う人がいるほどで、高知市では鮮度が落ちやすくほとんど販売されていません。

しかし一部では、須崎市から取れたての新子を仕入れ販売している魚屋さんは大盛況となっています。約一か月しか食べれないメジカの新子は高知県須崎市の救世主となっています。

[写:Maarten Heerlien@fliker]

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季節の魚の代表となったメジカの新子 へのコメント 1件 』

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    食べてみたいな〜

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