“準メジャー”六甲攻略のカギは総合力 ホステスコンビに期待する「気持ちのコントロール」【大西翔太のSHOWTIME】

<宮里藍 サントリーレディス 事前情報◇7日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6513ヤード・パー72>

六甲で行われる今週の国内女子ツアーは“全英切符”がかかる大一番。上位2名と大会終了後のメルセデス・ランキング上位3人には8月に行われる海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)の出場権が与えられる。優勝するのは、そして上位で終えるのは誰なのか? 歴代チャンピオンとして名を連ねる青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が占う。

開口一番、カギに上げるのは「総合力」。最近は飛ばし屋有利といわれるコースも少なくないなか、六甲攻略についてはショット、パッティングのバランスがポイントとなる。「青木プロが勝てた理由もそこにあります。ひとホールも気が抜けないですし、不安要素がひとつでも出てしまうとボギーになってしまう」。2020年大会を制した青木の今季のドライビングディスタンスは221.15ヤードで全体94位。確かに、飛距離がスコアに直結するとはいえなさそうだ。

コースはきれいに整っていて、「とても難しいわけではないけどメジャーみたいなセッティング」と話す。大会アンバサダーを務める宮里藍がセッティングに携わってこれが6回目となるが、「アップダウンや右ドッグ、左ドッグの罠がありながら、フェアウェイもグリーンもキレイに完備されています」とコースコンディションには舌を巻く。

宮里は「フェアウェイが狭くなったホールも増えて、ラフが伸びている部分もある。グリーンもいい状態」と話したが、大西氏も意見は一致。ひとつでもミスをしてしまえば、「すぐにボギーがきてしまう」という“準メジャー”のセッティングともいえそうだ。それでもショット力を見せることができれば「バーディが来る」と、自身の調子とスコアがそのまま結びつく。

さらには“全英切符”がかけられていることも、選手の闘志を燃やす。畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らが活躍し、今季は西村優菜や勝みなみが米ツアーに挑戦するなどの影響がないわけはなく、「海外志向の選手も増えていますね」。だからこそ、その一歩目としてチャンスを掴み切りたいという多いという。「夢の舞台で、誰にでもチャンスがある。ここで一発変えたいという気持ちもあるはずです。外国人選手も来るグローバルな試合もなかなかないですよね」。

そんななか、注目選手としてまず挙げたのが吉田優利。今季国内メジャー初戦を制し安定した成績を残しているが、持ち味のショット力だけでなく、「メジャーで勝ちましたけど、そこからさらに奮い立たせて結果を残したいと思っている気持ちが伝わってきます」という熱いハートも伝わってくる。吉田自身も「いい意味で切り替えられていて、優勝したことは忘れている」と切り替えて次の勝利へと向かっている。

さらに、渋野日向子と、アマチュアの馬場咲希(代々木高3年)のふたりにも期待を寄せる。「ホステスとして頑張りたいという気持ちは大きいでしょう。ホステスは気合が入りすぎて空回りしてしまうこともあるのですが、このふたりはそこについてもコントロールできる選手だと思います」。渋野はサントリー所属契約後としては初出場、スポンサー契約を結ぶ馬場は“ホステスアマ”として出場する。

青木と渋野は開幕2日前の火曜日に練習ラウンドをともにしたが、間近でみた大西氏も「試行錯誤しながらも、スイングが徐々に安定してきたようにも思います」と現在の様子について明かす。「久しぶりに出るので新鮮味もありますし、恩返ししたいという気持ちは人一倍強いと思いますよ」。45位タイで終えた19年大会以来2度目の出場となるが、所属選手として上位争い、そして優勝争いにも期待される。

ディフェンディングチャンピオンとして臨む山下美夢有は先週惜しくも3週連続Vを逃したものの、今季3勝をあげる好調ぶりは変わらず。今大会では2位タイ、優勝と相性のよさも感じられるが、大阪娘が関西でまたしても強さを見せつけるか。“藍ちゃん世代”がフィールドに揃うなか、今週の見どころも多そうだ。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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