ちびっこの“自動車教習所”? 全国の「交通公園」が物語る悲しい歴史 園内でも信号無視ダメ!

横断歩道や信号機が設置された公園で遊んだ記憶のある人、結構いるのではないでしょうか。これらの公園は交通公園と呼ばれ、かつて社会問題化していた交通事故現象を目指して建設されました。

全国規模で存在 交通公園とは

 子どもの頃に、横断歩道や信号機などが敷地内にある公園で遊んだ記憶のある人がいるのではないでしょうか。もしかすると自転車やゴーカートに乗れたという人もいるかもしれません。このような公園を「交通公園」といいます。  こうした公園ができた背景には1960~70年代の日本の交通事情が影響しています。

 この時代、急速にクルマ社会化した日本では、交通事故が社会問題となっており「交通戦争」と呼ばれるほどでした。そこで、子どもたちに交通ルールの大切さを教えようという運動がおこり、建設省(現・国土交通省)が主導となり、1962年5月11日に開かれた全国都道府県の担当者会議で、各地に交通ルールを学べる交通公園を設置することが決定。1963年11月、日本初の交通公園である「兵庫県立西武庫公園」が開設し、以降全国各地で作られるようになります。 公園内では、信号機が設置されており、車道や歩道も整備されています。場所によっては自転車や足こぎ式のゴーカートの貸し出しを行い、速度標識や立体交差なども再現されている公園も存在します。 交通ルールを学ぶ公園ということで、敷地内は、一般道と同じ交通ルールを順守する必要があります。そのため、スタッフが常駐している規模の大きい交通公園では、園内の信号を無視すると、子ども・大人問わず注意されることもあります。 1979年には交通事故死者数がピークの半数にまで減少し、以降も減少傾向を続けていることに加え、少子化の影響もあり交通公園は、普通の公園や別の施設になるなどして、その数を減らしています。 ただ、公道のような造りということから、自転車に乗る練習場としては未だに使われる傾向にあるようで、東京都大田区にある「森ヶ崎交通公園」は住民の要望で、2011年に新たに作られるなど、需要は完全になくなったわけではないようです。

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