
カツオの中でも高知以外には出回らないカツオ「メジカの新子(しんこ)」、メジカも新子も聞き慣れない言葉かもしれませんが、メジカとはソウダガツオというカツオの一種のことで、新子とは生まれて一年以内の魚のことを指します。旬は毎年8月~9月の1ヶ月と大変短く、さらに足が速い(鮮度が落ちやすい)ため高知県の中でも須崎市や中土佐町など、水揚げされる地域でしか食べることのできない幻の魚です。
もっちりとした弾力のある身が特徴です。高知での食べ方は、まず新鮮なメジカをぶつ切りにし、ぶしゅかんと呼ばれるすだちの仲間の酢みかんをたっぷりとしぼり、醤油をすこしかけて食します。付け合わせにはこちらも高知ではよく食べられている「リュウキュウ」と呼ばれる蓮芋の茎の部分。シャキシャキとした食感のリュウキュウがメジカから出た出汁とぶしゅかん醤油をたっぷり吸いこみ、もちもちしたメジカの食感をさらに引き立てます。
さらに、メジカの新子を食べ終わってもそこで終わりではありません。最後に残った汁をご飯にかけて頂く「ずっぽう飯」、ここまで堪能してこそこのメジカの新子を味わい尽くした言ってよいでしょう。もし8月~9月に高知に行く機会があれば、是非「メジカの新子」を味わってみてください。
[写:Maarten Heerlien@fliker]