自民党は日本維新の会と合意した衆院議員定数削減について、期限や削減幅など全体の工程を明記した「プログラム法案」を今国会に提出して成立を目指すことで当面の決着を図る検討に入った。党関係者が18日、明らかにした。実際の削減は先送りされるため、強硬論のある維新の理解を得られるかが焦点となる。
自民の鈴木俊一幹事長は時事通信のインタビューで、野党に異論が相次ぐ現状では12月17日が会期末の今国会中に「完成形」の法案を成立させるのは非現実的だと指摘。先行的に「骨格」の法案の成立を期すと表明した。
これにより「定数削減をピン留めできる」と説明。来年秋に出る国勢調査の確定値を踏まえて各党と話し合う考えを示した。
自維の連立政権合意書には「1割を目標に定数を削減するため、臨時国会に法案を提出し、成立を目指す」と記されている。
与野党各会派でつくる衆院選挙制度協議会の18日の会合では、定数削減への反対論や慎重意見が相次いだ。立憲民主党は少数政党の意見も反映させるため、各党が参加する同協議会で結論を出すよう求めた。
野党側には、維新が比例代表を削減対象としていることへの反発が強い。公明党は協議会で、比例のみの削減に難色を示し、これに同調した野党もあった。
協議会は額賀福志郎衆院議長の下に置かれた機関。座長を務める自民の逢沢一郎氏は終了後、記者団に「選挙制度と議員定数は一体で、この協議会で判断するのが本来の姿だというのが大方の発言だった」と明らかにした。
プログラム法案には維新内にも「一つのアイデア」(藤田文武共同代表)と一定の理解を示す声が出ている。一方、吉村洋文代表は18日の記者会見で、「曖昧なプログラム規定」により棚上げとなることに警戒感を表明。選挙制度改革を絡めることについても「安易に風呂敷を広げると、結局うやむやになって終わる」と反対の立場を強調した。
〔写真説明〕自民党の鈴木俊一幹事長=17日、同党本部

