
群馬県みどり市で、馬で走りながら的を射る「流鏑馬(やぶさめ)」と「笠懸」の演武が行われた。弓馬術礼法を伝承する小笠原流の師弟が招かれ、射手がヒマワリ畑を馬で駆け抜けながら的を射抜くと、雨の中で見守る観客から拍手や歓声が上がった。
流鏑馬と笠懸は、鎌倉時代には盛んな弓馬術だったが、室町時代に衰退。江戸幕府8代将軍・徳川吉宗が小笠原家に再興させた。的は、流鏑馬が正方形の板。笠懸は丸い板に紙となめし革を当てたものだが、もともとは綾藺笠を使っていたことからその名がつき、合併前の町名「笠懸町」の由来にもなったという。
演武は毎年10月に行われる「ひまわりの花畑まつり」のイベントの一つ。男女約10人の射手が参加し、小学5年生の男子が的を射抜くと、ひときわ大きな歓声が上がった。須藤昭男市長は、「あいにくの雨だったが、集まってくれた皆さんに感謝したい。来年は良い天気になってほしい」と話した。【もぎたて便】
〔写真説明〕「笠懸」で矢を的中させる射手=11日、群馬県みどり市