ガザ交渉、仲介国の関与本格化=協議3日目、米特使も参加

 【カイロ時事】トランプ米政権が提示したパレスチナ自治区ガザの和平案を巡り、仲介国エジプトで行われているイスラエルとイスラム組織ハマスの間接交渉は8日、3日目に入った。米国からウィトコフ中東担当特使やトランプ大統領の娘婿クシュナー氏が、カタールからはムハンマド首相兼外相が協議に参加するため現地入りしたと報じられており、交渉加速に向けた仲介国の関与が本格化した。
 和平案ではハマスが拘束中の人質を解放する引き換えに、イスラエルが収監するパレスチナ人を釈放することが盛り込まれている。ハマスは8日の声明で、イスラエル側に名簿を示したと発表。長年収監されているパレスチナの著名な指導者らが含まれているとみられ、争点となる可能性がある。
 報道によると、7日の協議では、イスラエルから提示された地図を基に同国軍の部隊撤退に関して議論。ハマスの人質解放とパレスチナ人釈放についての工程表などが話し合われた。
 ハマス代表団のハイヤ幹部は7日、「トランプ氏や仲介国に、戦闘の完全終結の保証を求める」と述べた。中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、人質の最後の1人を解放するのと同時に、イスラエルの最後の部隊がガザから撤退すべきだとハマスが要求していると報じた。
 交渉にはハマス幹部が滞在するトルコからも情報当局高官が参加。仲介国が結束してイスラエルとハマスに働き掛けを強めるもようだ。ただ、イスラエルはガザ攻撃を停止しておらず、報道によるとトランプ氏が爆撃中止を要請した今月3日以降だけでも104人が死亡。ハマス側は不信感を一層募らせており、交渉進展の見通しは不透明だ。
 国連のグテレス事務総長はガザ戦闘開始から2年となった7日、改めて人質解放や戦闘停止を呼び掛けた上で「2年間のトラウマを経て、われわれは今、希望を選択する必要がある」と訴えた。 
〔写真説明〕7日、パレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市で、イスラエル軍の空爆後に上がる煙(EPA時事)

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