
野党7党派の国対委員長ら幹部が7日、国会内で会談し、石破茂首相の退陣に伴う首相指名選挙への対応を協議した。立憲民主党の笠浩史国対委員長は連立政権発足に向けた自民、公明両党の協議が難航する現状を踏まえ、野党統一候補への投票を改めて提案。各党派は検討する姿勢を示した。立民は日本維新の会と国民民主党への個別の働き掛けを強め、公明側への接触も視野に入れる。
会談には立民、維新、国民民主3党に加え、共産党、参政党、日本保守党、衆院会派「有志・改革の会」が出席。立民の笠浩史国対委員長は「野党がまとまれば勝利する可能性もある。しっかり協議していこう」と呼び掛けた。出席者からは国民民主の玉木雄一郎代表を統一候補としてはどうかとの声も上がったが、国民民主の古川元久国対委員長は「持ち帰る」と述べるにとどめた。
この後、立民の安住淳幹事長と維新の中司宏幹事長が会談。安住氏は記者団に、統一候補について「野田佳彦代表にこだわらない」と述べ、他党首への一本化も選択肢との考えを示した。中司氏は「簡単に了とはしにくい」と述べた。
立民は国民民主にも個別協議を求めている。立民幹部は「公明にも非公式に接触する」と語った。
自民の梶山弘志、立民の笠両国対委員長も国会内で会談。笠氏は臨時国会の早期召集を要求するとともに、首相指名選挙の結果が確定していない段階で高市早苗自民総裁が閣僚人事の調整を進めているのは「極めて遺憾だ」と抗議した。梶山氏は「注意する」と応じた。
一方、野党からは7日、自民新執行部の顔触れへの批判が相次いだ。立民の野田代表は党本部で記者団に「派閥が復活し、裏金問題もなかったことにするとしか思えない」と酷評。「(公明とは)本来近い立場だ。協調できる場面も出てくる」と述べ、公明との連携に期待を示した。
維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は「麻生派の影響が非常に強く出ている」と記者団に指摘。国民民主党の玉木代表は記者会見で「政治とカネがつきまとう。(自公)連立への影響を注意深く見定めたい」と述べた。
〔写真説明〕会談に臨む(右から)立憲民主党の笠浩史国対委員長、安住淳幹事長、日本維新の会の中司宏幹事長、遠藤敬国対委員長=7日午後、国会内
〔写真説明〕記者の質問に答える立憲民主党の安住淳幹事長=7日午前、国会内
〔写真説明〕記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表=7日午後、国会内
〔写真説明〕記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表=7日午後、東京・永田町の同党本部