天皇ご一家、被団協活動ねぎらう=高齢被爆者に寄り添い―長崎

 12日に長崎県入りされた天皇、皇后両陛下と長女愛子さま。戦後80年の節目に長崎の原爆犠牲者に祈りをささげ、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員ら被爆者と面会し、平和の尊さを発信する活動をねぎらった。高齢被爆者には腰をかがめて目線を合わせ、話に耳を傾けた。
 日本被団協代表委員の田中重光さん(84)=長崎市=は4歳の時自宅で被爆。2017年に長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の会長に就任し、18年から日本被団協代表委員となった。天皇陛下が昨年のノーベル平和賞受賞について切り出し、皇后さまは「おめでとうございます」と祝意を伝えた上で「ご活動にご苦労もおありに」といたわった。
 愛子さまは「どんなことを次世代に語り継いでいきたいですか」と質問。田中さんは終了後の取材に「世界の動き、日本の動きを勉強されていると思った。親子で来られたこともありがたく、意義があること」と話した。
 21歳で被爆した中村キクヨさん(101)=同市=は、原爆で親戚を亡くし、「長崎県被爆者手帳友の会」会員として体験を話してきたことを声を詰まらせながら紹介。陛下は「平和の大切さを説いていらっしゃって敬意を表します」と寄り添った。
 ご一家は、被爆や平和について語り継ぐ「伝承者」の若者2人とも懇談。平和学習のガイドなどを務める長崎大2年浜田尚平さん(20)は、愛子さまから「印象に残っている活動は」と尋ねられたといい、「同世代なので、関心を持ってもらえたのかなと思いうれしい」と顔をほころばせた。 
〔写真説明〕長崎原爆資料館で日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の田中重光さん(左端)と懇談される天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=12日午後、長崎市(代表撮影)
〔写真説明〕長崎原爆資料館で被爆者と懇談される天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=12日午後、長崎市(代表撮影)

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)