続く政治空白、政策協議停滞=野党反発、月内の国会召集訴え―自民総裁選

 石破茂首相の後任を決める自民党総裁選は「9月22日告示―10月4日投開票」と決まり、政治空白はさらに1カ月近く続くことになった。物価高対策やガソリン税の暫定税率廃止などに関する与野党協議の停滞は避けられない。当面「見せ場」を奪われることになった立憲民主党など野党は、月内の臨時国会召集を要求する構えだ。
 告示が22日となったのは、100万人を超える党員・党友の選挙人名簿を確定する必要があるためだ。総裁選挙管理委員会の逢沢一郎委員長は9日、記者団に、昨年の総裁選とは異なり投票資格を2年以上党費を納めた党員に限定し、選挙期間も3日短い12日間にしたと説明。「秋の臨時国会を考慮しなければならないし、来年度の準備も待ったなしだ」と語った。
 与党は7月の参院選大敗で衆参共に少数与党となったことを受け、給付付き税額控除や暫定税率廃止などを巡って野党との協議に着手した。だが、税額控除の協議は自民が立民から短時間説明を受けた1回だけ。暫定税率は実務者協議を重ねたが代替財源で折り合えず、次回の日程は決まっていない。
 自民幹部は「こういう状況で他党に声は掛けにくい」と述べた。
 これに対し、立民と日本維新の会、国民民主党など野党6党1会派は9日、国対委員長が会談し、物価高対策などの遅れは許されないとの認識で一致。立民の笠浩史国対委員長は記者団に「総裁選をやりながら、国会をやってもいい」と自民をけん制した。
 国民民主の玉木雄一郎代表は記者会見で、臨時国会の召集が10月中旬以降になるとの見方を示し、「国民生活にとってマイナスのスケジュールになっている」と批判した。
 不満は与党の公明党からも出ている。西田実仁幹事長は9日の会見で、現金給付の実現に向け、首相が指示した経済対策の議論を進めるべきだと強調。自民党の森山裕幹事長に直接要求したと明かした。
 政府・与党は経済対策の裏付けとなる2025年度補正予算案を臨時国会で成立させる方針だが、野党との協議も必要になる。与党内の一部からは「補正を年内に仕上げるのは難しい」(自民幹部)との声も漏れている。 
〔写真説明〕自民党の総裁選挙管理委員会であいさつする逢沢一郎委員長(右)=9日午後、東京・永田町の同党本部
〔写真説明〕野党国対委員長会談に臨む立憲民主党の笠浩史国対委員長(左から4人目)ら=9日、国会内

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