国民候補、「失速」に焦りも=各党なお警戒―都議選

 13日告示の東京都議選(22日投開票)では、昨年の衆院選で躍進した国民民主党がどこまで議席を確保できるかが焦点だ。2桁台の議席獲得を目標に掲げるが、参院選候補の人選や幹部の失言などで失速しつつあり、候補に焦りが出ている。ただ、依然として「台風の目」になるとみる向きが多く、7月の参院選に影響を与えるのは必至だ。
 国民民主は、2021年の前回都議選で4人の公認候補を擁立したが全員落選。現在都議会に議席はない。今回は18人を擁立し、家計や住居費支援など、おなじみとなった「手取りを増やす」政策をアピールして初の議席獲得に挑む。玉木雄一郎代表は10日の記者会見で「まずは5議席、できれば条例提出権のある11議席を目指したい」との目標を明らかにした。
 勢力を伸ばした昨秋の衆院選以降、地方選挙でも支持は着実に広がっており、都内の市議選で新人がトップ当選するなど結果を残した。都連関係者は「4年前と比べ、街頭でビラを受け取ってくれる人が増えた」と手応えを語る。
 しかし、都議選が間近に迫った5月、参院選の候補選定が波紋を呼び、玉木氏が政府備蓄米を「動物の餌」と発言したことが物議を醸し、勢いに陰りも見られる。直近の報道機関の調査でも軒並み政党支持率が下落した。
 都議選の公認候補の一人は「街頭で一部の人から非難されることがある。党はつまずいた。とにかく精いっぱいやるしかない」とこぼす。別の候補は「今も応援の声の方が多いが、中には『これまで支持していたのに』という批判もあった」と明らかにした。
 こうした国民民主の動向に対し、候補者の「すみ分け」を進めてきた都民ファーストの会には「(競合する選挙区もあるので)これ以上支持を伸ばさないでほしいというのが正直なところ」(都議)との本音も。国民民主の勢いについて、「ピークアウトした」(共産党都委員会幹部)との声もあるが、自民都議は「まだ止まってはいない」と分析し、警戒を続けている。 
〔写真説明〕東京都内を走る国民民主党の街宣車(資料写真)

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