前週会場で倒れた父はまもなく退院 今季2位2回の桑木志帆は初優勝へ「プレーに集中できる」

<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前情報◇10日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6702ヤード・パー72>
 
前週の「北海道meijiカップ」2日目の朝、大会会場で父・正利さんが脳梗塞で倒れ、病院に救急搬送。スタート5分前にそれを知るというアクシデントがあった桑木志帆。常にツアーに帯同してサポートをしてくれている父だけに、不安を抱えながらのラウンドとなった。それでも最終日には「66」のラウンドでトータル12アンダーまでスコアを伸ばして、プレーオフで敗れた7月の「資生堂レディス」に並ぶ今季最高位の単独2位でフィニッシュした。
「お父さんは今週退院します。『がんばれよ』ってラインをもらいました」と笑顔を見せ、今大会は心配事もなく「プレーに集中することができる」と話す。
 
「気持ちの切り替えはツアーで戦いながら学んで、得意になりました。マイナスなことを考えていたら、うまくいかないというのがよく分かったんです。私は焦りが動きに出てしまうタイプなので、そこを気をつけています」
 
焦りが出ると、スイングリズムが速くなるのだという。ツアープロたちは「リズムが一番大切」とよく口にする。「そんな単純なことなの?」と思うかもしれないが、「リズムが乱れれば、スイングも崩れる」という基本を、毎日のようにラウンドするプロはよく知っているのだ。
 
「スイングリズムが速くなったときは、トップでタメをしっかりつくるようにしています」。トップでの一瞬の間が、打ち急ぎによる手打ちのミスをなくす。クラブをゆっくり振り上げるなど、人によって対処の方法は違うが、いつも同じリズムで振ることでスイングの再現性が高まる。レギュラーツアー参戦2年目の20歳の好成績を収めている理由は、こんなところにもあった。
 
そして、「今週のコースはめちゃくちゃ難しいという感じはありません。グリーンがやわらかくショット勝負になると思いますが、ショットの調子は上がっています。“優勝”狙っていきます」と、はっきり言い切った。
 
今季「フジサンケイレディス」で初優勝を遂げた神谷そら、「資生堂レディス」で桑木とのプレーオフに勝利して初優勝を遂げた櫻井心那ら同世代の活躍が強い刺激となっている。喉から手が出るほどほしい“優勝”であるが、「焦りはありません。初優勝はしたいけど、そればかり考えていると自分のペースを乱すことになるので」と冷静さも忘れない。
 
今週はイングランドで「AIG女子オープン」が開催されており、年間ポイントランキング上位の選手が多数渡英している。そのため、現在ポイントランキング12位の桑木より上位にランキングされている今大会出場選手はたったの3人。自分のゴルフを貫き、果敢に攻めて初優勝を狙っていく。(文・河合昌浩)

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