「親ペナルティ」に負けない毎日の小さな幸せの探し方

「親ペナルティ」という言葉をご存じでしょうか。
親になると幸福度が下がる、という意味だそうですが、なんかひどい言葉だなあと思いました。
親ペナルティがあろうがなかろうが、私たちは親として、毎日を生きていかなければならないのですよね。
そこで、親ペナルティに負けない方法を考えてみました。

親ペナルティとは

2017年秋、あるサイトのコラム記事が発端となって話題になった「親ペナルティ」という言葉。
記事の中で 「育児中の親への支援が手薄い国ほど一般的に幸福度は「子供を持つことによって下がる」と言われる」として、それを「親ペナルティ」と呼んでいました。

厚労省のサイトに「子どもを持つ若年層を対象とした幸福度に関する研究」という論文がありました。
そこでも子どもありなしの夫婦の幸福感を比べ、子どもがいる夫婦のほうが幸福度が低いとしています。

どうやら統計的に「親ペナルティ」という現象は実在するようです。
ただこの調査は若年層に絞っているので新婚家庭が出産して夫婦の間がギクシャク……なんていうデータを大きく拾っている可能性もあります。

ちなみに用語の定義を調べるために「親ペナルティ 社会学」「親ペナルティ 社会学者」で検索しても論文も研究者出てきません。
私が見つけられなかっただけだと思いますが、センセーショナルな言葉に踊らされずに、もう少し経過を見たいと思っています。

ペナルティのない人生なんてない
それにしても「親ペナルティ」という言葉のインパクトはすごいです。
ただでさえ子育て中の母親に冷たいこの国で、いつも肩身の狭い思いをしているママたちは「親ペナルティ」なんてショッキングな言葉を投げかけられたら「子どもを産むという選択は、やはり失敗だったのか……」と考えてしまいます。

でも、ちょっと考えてみてください。
子どもを産み育てることが罰なら人類こんなに増えていませんって。
人間が動物だった時代、それよりもずっと前から続いてきた子どもを産み育てることは原始的かつ本能的な喜びのはずです。
理性レベルで「損してる」と考えても、もっと根源的な生存レベル(DNAなのか魂なのかはわかりませんが、そういう境地というか段階)では喜んでいるはず。
それを無視しちゃいけないんじゃないかなと思います。

それにね、100%得をして勝ち抜ける人生はありません。
昔から、お金と身分のある人は貧しい者に施しをしなければならない「ノブレス・オブリージュ」(高貴なる者に伴う義務)という考えがありました。
これだって金持ちペナルティとか貴族ペナルティとか、呼ぶことができるでしょう。

結婚しない人生を選べば独身ペナルティ、離婚すればシンママペナルティ、働いていればワーママペナルティ、独立すれば起業ペナルティ、年をとれば長生きペナルティ……これはすべて私が今作った言葉ですが、「ああ、あるある、なんとなく分かる分かる」って思いませんか?
そうなんです、ペナルティのない人生なんてないんです。
誰もが多少は損をしている。
いいときも悪いときもある。
長い目で見たらそんなにひどくはない。
見方を変えれば幸せが見つかる、それが人生っていうものです。

親ペナルティに負けない毎日を
誰の人生にもペナルティはあります。
さらに親になってしまったからには、ペナルティがあろうがなかろうがリタイアはできない。
だから、今子育てをしているママ・パパたちには親ペナルティという心ない言葉に負けないで欲しいと思います。
「いや、いいことも沢山ある、実際けっこう幸せだし」って胸を張って欲しいんです。
幸福感なんて自分で作り出せるんですから。

そのためには、日常の何気ない小さな幸せを見つけること。
さて、どうやって幸せを見つけたらいいのか、いくつかコツをお伝えしましょう。

子どもを笑わせてみよう
どんなに疲れていても子どもの笑顔でチャラになる、という体験は子を持つ親なら一度や二度はしたことがあるでしょう。
子どもの笑顔がある家庭は幸せです。
変なギャグでも下ネタでもいいので子どもを笑わせてみましょう。
笑顔を見るだけで幸せだなと思えるんじゃないでしょうか。

グチを笑い話に転換しよう
グチはいくら言ってもいいんです。
ちょっとひねってオチをつけて、笑える話にしてしまうとさらにグッドです!

笑顔でいよう
「顔面フィードバック」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
私たちは、嬉しい・楽しい・幸せを感じて笑うんですが、逆に、笑顔でいると「あ、今なんかハッピーなんだ」と脳が勘違いするのだそうです。
普通の時でも口角をあげておきましょう。

自分をほめよう
頑張っている毎日「このくらいみんなやってるし」とか「私なんか」なんて思わずに、自分をほめてほめてほめまくりましょう!
図々しいと思われる? いえ、表面に出さなければ自分をほめているなんて誰にも分からないから大丈夫です。
自分で自分をほめることができると、むやみに卑屈になることが減ります。
そうすると今この時代にこの国で(気持ちの上では)縮こまらずに子育てができるんです。

ぜひ、自分をほめつつ、笑顔で、グチを笑い話に転換しながら、子どもを笑わせて子育てをしてみてください。「親ペナルティ?なにそれ?」という気持ちになりますよ。

【参考】
日本の「親ペナルティ」は、先進国の中でもかなり大きい
子どもを持つ若年層を対象とした幸福度に関する研究(上田路子、川原健太郎)

(文・曽田 照子)

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