
産休・育休中の給与、賞与、有休はどうなる?
専門家の回答
産休・育休中の給与については、法律上は会社に支払義務はありませんので、ほとんどの場合が無給です。ただ、会社によっては産休・育休中であっても給与を支給する旨就業規則等で定めている会社もあります。なお、給与を受給している場合は、出産手当金と育児休業給付金の金額は調整されることになります。
賞与については、通常は、産休・育休期間中は賞与計算の対象期間に含まないとされていることが多いのではないでしょうか。法律では、産休・育休取得の申出と取得を理由とした不利益取扱いは禁止されていますが、賞与に関して産休・育休期間中を賞与計算の対象期間に含めないとしても、産休・育休を理由とする不利益的取扱いには該当しないと考えられていますので、会社のこのような取扱いは問題ありません。
では、有休についてはどうでしょうか。労働法では、有休つまり年次有給休暇は、全労働日の8割以上を出勤した労働者に与えなければならないものとされています。そのため、産休・育休を取得した年は多くの女性が出勤率は8割以下となりますので、その場合その翌年は有休取得が認められないことになってします。そこで、労働基準法では、産休・育休を取得した期間は、有休を取得する資格の基準となる出勤率の計算に当たっては、出勤したものとみなされることになっています。
つまり、有休については、産休・育休を取得していている間でも、勤続年数に応じて法律で定められた日数分は付与されることになります。付与された有休は育児休暇から復帰した後に使用できます。
(弁護士:籔之内 千賀子)