身長155センチで平均245ヤード! 涙の初Vを達成したウー・チャイェンの飛ばしの秘密は?【優勝者のスイング】

台湾出身の21歳、ウー・チャイェンが「大王製紙エリエールレディス」でツアー初優勝を飾った。そのスイングをプロコーチの南秀樹が分析。我々が参考にしたいポイントも挙げてもらった。

身長155センチと小柄ながらドライビングディスタンスは245ヤードオーバー、フェアウェイキープ率も70%超で、トータルドライビングは4位。台湾出身の選手らしく風への対応も上手く、飛んで曲がらないを実践しています。
 
ダウンスイングからフォローにかけて特徴が感じられます。スイング軸はそのままですが、肩はタテに腰はヨコにとバラバラに動かしています。スイング軸はブレることなく、スムーズに体が回転しているので、再現性が高い。両肩をタテに回転させることで、フォローが長くなり効率良くボールに力を伝えることもできています。この動きに加えて、ドライバーでは体重移動を大きく使っているのも、小柄ながら大きな飛距離を生んでいるポイントだと思います。
 
ダウンスイングで体が突っ込んだり、バックスイングで左、ダウンスイングで右に乗ってしまう“ギッタンバッコン”に悩んでいたりするなら、ウー・チャイェンさんのように肩や腰を分離させて動かすのが解決の糸口になります。腰と肩を分離させるのは難しいので、まずは肩の動きを意識することから、はじめてみましょう。
 
アドレスでは、首を長く、スッとさせて構えます。少しアゴを上げて、ボールを下目で見るくらいでも問題ありません。反対に、力んで肩が上がったり、背中が丸まったりすれば首が短く見えてしまい、肩の回転が難しくなります。
 
練習では肩にクラブを担ぎ、首が長い状態を保ったまま肩をターンさせていきます。肩甲骨の間、背中の中心を軸に肩をターンさせるように動かすイメージを持って素振りをしてください。
 
首をスッとさせると、反り腰になり肩の回転どころではなくなってしまうなら、前傾角が浅い可能性が考えられます。股関節から前傾させたアドレスを作ること、またその際にお腹と背中がくっつくように、お腹を凹ませて構えるのも両肩をスムーズに回転させるポイントです。
 
この感覚がなかった方は、「アドレスって、こんなに大変なのか」と思われるかもしれません。しかし、ドライバーからパターまで、正しい構えが、肩や腰、腕の動きを安定させるので、キツイと思っても継続して取り組んでみてください。
■ウー・チャイェン
2004年生まれ、台湾出身。2022年のプロテストに合格。プロ1年目にはステップ・アップ・ツアーで3勝を挙げて賞金ランク1位に輝く。24年からレギュラーツアーに本格参戦し、メルセデス・ランキング32位となり初シードを獲得。「大王製紙エリエールレディス」でレギュラーツアー初優勝を挙げた。Hon Hai Foxconn所属。

■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。

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