<大王製紙エリエールレディス 2日目◇21日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6595ヤード・パー71>
大会第2ラウンド終了後の会場は女王戴冠で喜ぶ佐久間朱莉の影で、今季シード選手として戦いながら来年の出場権を喪失し涙を流す選手も現れる、まさに“明と暗”の舞台になった。
そのひとりがツアー通算1勝の黄金世代・吉本ひかる。メルセデス・ランキング(MR)107位で迎え、来年のフル出場権を確保するためには優勝しかなかったが、トータル9オーバー・88位で予選落ち。シード喪失が確定した。「今週は悪くなかったけど、あまりチャンスも作れなかった。開幕の頃よりはドライバーもよくなっているので…」と振り返ると、涙。「つらいシーズンでしたけど…しっかり自分と向き合ってQTで頑張りたい」と、声を振り絞った。
スランプを乗り越え2023年の「明治安田生命レディス」でツアー初優勝。その年に3シーズンぶりのシード復帰を果たすと、昨年もMR19位で出場権を守った。だが今年は開幕から予選落ちが続いて低迷。「開幕の時に股関節を痛めて振れずに曲がってしまった。パターもあまりで、全体的に調子が狂ってました。感覚がなかなか戻りませんでした」。トップ10入りもゼロと、歯がゆいシーズンになってしまった。
「調子も成績もよくないから、焦ってメンタル的にも全然ダメでした」。ここから立て直しを図る。「ゴルフ自体はよくなっているのであとは気持ち。頑張りたい」。再び試練を乗り越える。
【予選落ちで出場権喪失が確定した今季シード選手の声】
■ささきしょうこ(MR52位、トータル6オーバー・78位)
「ショットの調子、ゴルフが悪すぎて、良くしようともがいてはいたんですけど…。シードのことを考えられないほど悪くて、それが夏過ぎからいきなり来た。どうやったら真っすぐ飛ぶんだろうって。最後の最後まで、出口を探そうともがいていたけれど、もがけばもがくほどダメになっちゃう。(来季前半戦出場権が得られる51位~55位はキープ)準シードの位置なのは良かった。ゆっくり休んで、ゴルフのことばかり考えていたので頭を休めたいです」
■蛭田みな美(MR53位、トータル1オーバー・55位タイ)
(涙で言葉が出ず、振り絞るように)「1年、つらかったです」
■川岸史果(MR58位、トータル4オーバー・71位タイ)
「8、9月ごろから調子が悪くて、インフルエンザになったり、寝違いがあったり…コンデションを整えるのが難しかったですね。TOTO(ジャパンクラシック)の週に、実は(QTの)練習ラウンドに行って、覚悟は決めてここに来ていました。今は夏場以降に比べたら、だいぶ調子もいい。メソメソしても仕方ないので、QTをしっかり通っていきたいと思います」
■小林夢果(MR67位、トータル6オーバー・78位タイ)
「ケガもあって、スイング調整で去年とは違うゴルフがたくさんありました。もう終わったのでQTへ向けていろいろ調整して、また戻ってこられたらなと思います。坐骨神経痛や手首を痛めスイングに影響するケガが多くて…。去年とまったく違うスイングになって悩みました。ドライバーも30ヤードくらい(飛距離が落ちた)。ただ今週は300ヤード近く飛んでいたし、ウェッジの精度を上げて、マネジメントからやっていけばもっとスコアはよくなると思います」
■臼井麗香(MR98位、トータル1オーバー・55位タイ)
「今年2月に、宮崎合宿のトレーニング中にハードルに引っかかって転んじゃって、右足首の両側の靭帯損傷と骨が潰れてしまって…。1カ月、車いすで過ごしました。焦って、強行で(開幕戦の)ダイキンに出たんですけど、痛すぎてスイングがすごく変わってしまって。自信は回復しているんですけど、足をかばって左腕にしびれが出たり。終盤のほうも足が使えないから手を使って負担が来てしまいました。(QTは)テーピングを巻いて、気合いを入れていきます。自信はあります」
※森田遥(MR74位、トータル3オーバー・66位タイ)もシード喪失
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