ウルグアイと交渉入り=フィリピンなど3カ国も前進―コスタリカは年内妥結・TPP閣僚会合

 【メルボルン時事】自由貿易協定「包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)」の締約国は21日、オーストラリア南東部メルボルンで開いた閣僚級会合で、新たにウルグアイと加入交渉を開始することで合意した。フィリピン、インドネシア、アラブ首長国連邦(UAE)とも加入交渉に向け前進。昨年から交渉を続けてきたコスタリカは審査がおおむね終了し、年内に妥結する見込みとなった。日本など12カ国で構成する現在の枠組みを、戦略的に拡大していく方針だ。
 フィリピンなど3カ国とは状況が整えば2026年に交渉を始める。他に加入を申請していた中国、台湾、エクアドル、ウクライナの4カ国・地域は見送られた。締約国は新規加入の3要件として、(1)関税撤廃などCPTPPの高い水準に適合(2)貿易に関する法規の順守(3)全締約国の合意―を定めており、これにのっとって交渉先を選定した。
 トランプ米政権が高関税措置で保護主義色を強める中、締約国は共同声明で「CPTPPは世界経済構造において戦略的に重要な位置を占める」と強調。議長を務めたファレル豪貿易相は席上、「透明性が高く、予測可能な貿易を推進し、市場アクセスを拡大していく」と述べた。
 日本代表の岩田和親内閣府副大臣は会合後、記者団に「自由で開かれた、ルールに基づくCPTPPの拡大は大事だ。新規加入は戦略的観点から進めるべきだと強く申し上げた」と語った。 
〔写真説明〕「包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)」閣僚級会合に出席する岩田和親内閣府副大臣(右から2人目)=21日、オーストラリア・メルボルン

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