「外見たら炎」「早く帰りたい」=大分火災、避難者ら不安

 大分市佐賀関での大規模火災発生から一夜明けた19日、現場近くの避難所に身を寄せた住民からは「外を見ると炎が上がっていた」「早く帰りたい」など不安の声が漏れた。
 佐賀関公民館には火災発生の18日夕以降、多くの住民が詰め掛けた。19日朝に訪れた高橋正子さん(61)は「電気は消え、家にいても何もできない状態。外を見ると炎が上がっており、避難しなきゃいけないと感じた」と話す。一緒に避難した娘の戎野美香さん(24)は「あんな火事は見たことがない。早く家に帰りたい」とおびえた表情でつぶやいた。
 18日夜に避難してきた橋本道明さん(77)は携帯電話と免許証だけを手に自宅を出た。「燃えている様子が見え、急いで逃げなきゃいけないと思った」と振り返る。
 炎は自宅近くに迫り、「風向きが少しでも変わると危なかった」という。橋本さんは「避難所で配られたマットは薄く、床も硬いため体が痛くて眠れなかった。早く元の生活を取り戻したい」と疲れた表情で話した。
 同じく18日から身を寄せる牧野多美恵さん(72)は、警察と一緒に住民の避難を誘導した。「避難を呼び掛けても『足が痛いから』と言って自宅から出たがらない人もいた。『ゆっくりでいいから』と伝えた」と語った。
 牧野さんによると、現場付近は古い空き家が多いといい、燃え方も激しかったという。牧野さんは「不安で神様に祈りながらみんなで逃げた」と話していた。 
〔写真説明〕火災が発生した佐賀関漁港近くの住宅密集地=19日午後、大分市

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