<アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン 最終日◇16日◇ペリカンGC(フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
次週の最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」に出場できるランキングトップ60への滑り込みはかなわず、吉田優利の米2年目が終了した。最終日は6バーディ・2ボギー・1トリプルボギーの「69」で、トータル3アンダー・38位タイ。ランキングはスタート時の70位から73位に後退した。
「バーディ、獲っちゃった…。きょうのハイライトはそこ」と、まずは2番のプレーを喜んだ。平均スコア『4.449』の最難関ホール。6番アイアンで球を止めるため、生粋のドローヒッターながら「少しペラ球」を打ち、右4メートルにつけた。あと30センチでも転がっていれば、傾斜でグリーン奥に転がり落ちてしまうような状況。また一歩、成長を実感したシーンでもあった。
スコアだけを見れば、15番パー3での『6』が痛い。グリーン奥からのウェッジでの寄せが、傾斜で3回も戻された。「完ぺきに打ったものが跳ね返された感じ。そこは自分のホールじゃなかったと思うしかない」と淡々。16番ですぐさまバーディを奪い、アンダーパーに潜る底力も発揮した。
ルーキーだった昨季はポイントランキングトップ100入りできず、日本のQTと米国のQシリーズ(米最終予選会)を“はしご”して、今季の出場カテゴリーを手にした。そして今年、1年前はかなわなかったトップカテゴリー1(シード)を獲得。ただ、本人は「良く言えばそういう(着実に成長した)感じ。悪く言えばパッとしない一年だった」と振り返る。
今季は25試合に出場して予選落ちは9回から5回に減ったが、トップ10入りは馬場咲希とペアを組んだダブルス戦での1回のみ。シーズン前半はショットに、後半には「ゴルフの軸」でもあるパッティングに苦しんだ。「たぶん1、2試合、どこかハマれば60位に入ったと思うんですよ」。最終戦を逃した悔しさとともに、その差を実感できたことこそが今年一番の収穫になった。
春のアジアシリーズはフィールドの人数が限られるため、カテゴリー1でも出場できない場合がある。73位の吉田は微妙な立場。夏場の欧州連戦、秋のアジアシリーズは来季のランキングに基づくため、「危機感を持ちながらシーズンの最初を過ごしたい」とも口にして来季を見据える。
「来年はもっといい年にしたい。2年やってもう、全部わかる。少しずつ、前に進んでいるだけマシと思うようにしないと。この反省を来年どう生かすか、これから考えたいと思います」。来週の日本最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」(27~30日、宮崎CC)は、日本ツアー優勝者の資格で臨む舞台。米3年目に向けた大事な実戦の場になる。(文・笠井あかり)
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