兵庫県の斎藤元彦知事の告発文書問題で県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員を務め、1月に死亡した竹内英明元県議=当時(50)=に関する虚偽情報を発信したとして、県警は9日、名誉毀損(きそん)容疑で、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)=東京都港区六本木=を逮捕した。認否を明らかにしていない。
県警は、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断した。県警幹部によると、亡くなった人物に対する名誉毀損容疑での立件は異例という。
立花容疑者は竹内氏の妻から告訴された後の8月、記者会見で「これで白黒はっきり付く。警察に呼ばれればしっかり対応する」などと話していた。
逮捕容疑は昨年12月13~14日、自身が立候補していた大阪府泉大津市長選の街頭演説で竹内氏について「警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」などと発言。25年1月19~20日にはSNSや埼玉県川越市議補欠選挙の応援演説で「明日逮捕される予定だった」などと虚偽情報を投稿したり、発言したりして名誉を傷つけた疑い。
竹内氏は斎藤知事が不信任決議後の知事選で再選した翌日の昨年11月18日、「一身上の都合」を理由に県議を辞職し、今年1月18日に亡くなった。県警の村井紀之本部長(当時)は同月、県議会の委員会で竹内氏に関する発信内容を否定し、竹内氏の妻が6月、立花容疑者の告訴状を県警に提出し、受理されていた。
〔写真説明〕NHK党の立花孝志党首

