「裏金」副長官起用を陳謝=高市首相「再起の機会与えて」

 高市早苗首相は5日の参院代表質問で、自民党の派閥裏金事件に関係し、野党が参院の議事出席を認めない佐藤啓官房副長官について陳謝し、「再起の機会を与えてほしい」と受け入れるよう求めた。野党は安易に容認すれば事件の幕引きにつながりかねないため、追及を継続する構えだ。
 「選挙を経ていない方は何もみそぎを済ませていない」。立憲民主党の水岡俊一参院議員会長はこう問題視。「首相の任命責任が問われる。内閣の要職に就く資格があるのか」とただした。
 これに対し、「国会運営に混乱を来した。真摯(しんし)におわびする」と切り出した首相は、「若くて優秀な将来の日本を担うべき議員だ」と強調。「本人は深く反省し、さまざまな機会を通じ国民に説明してきた。有為な人材を与野党の先生方にお育ていただくことを、どうかお願いします」と低姿勢で訴えた。
 この後、立民の斎藤嘉隆参院国対委員長は自民の磯崎仁彦参院国対委員長と会談し、「首相の謝罪は重く受け止める。『活躍の機会を見いだしたい』というのも深く理解した」と伝達。記者団に、首相がみそぎを要職起用の条件としていたと指摘し、「明確な回答がなかったのは遺憾だ。説明の矛盾がある程度解消されれば新しいステップに進めるのではないか」と語った。
 自民の「政治とカネ」の問題を徹底追及してきた経緯もあり、斎藤氏は12日から始まる参院予算委員会で改めて取り上げる考えも示した。立民内には「謝って済む問題ではない」との声も出ている。
 佐藤氏は5日の記者会見で「厳しい意見を真摯に受け止め、理解が得られるよう丁寧に対応していきたい」と述べ、重ねて続投に意欲を示した。 
〔写真説明〕参院本会議で、立憲民主党の水岡俊一参院議員会長が行った代表質問に答える高市早苗首相=5日午前、国会内
〔写真説明〕各党代表質問が行われる参院本会議を前に、議場に入る佐藤啓官房副長官(左)。右は自民党の石井準一参院幹事長=5日午前、国会内
〔写真説明〕記者会見する佐藤啓官房副長官=5日午後、首相官邸

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