小泉氏、防衛費増前倒し伝達=米国防長官、数値言及せず

 小泉進次郎防衛相は29日、ヘグセス米国防長官と防衛省で会談し、日米同盟の抑止力・対処力の強化で合意した。小泉氏は国内総生産(GDP)比2%への防衛関連費増額を2年前倒しして年度内に実現すると伝達。安全保障関連3文書の前倒し改定に向け検討を始めたと伝えた。ヘグセス氏は防衛費の数値目標に言及しなかったという。
 両氏の会談は初めてで、約1時間行われた。小泉氏は会談後の共同記者会見で「日米同盟をこれまでにないスピード感で強化していく」と強調。ヘグセス氏は日本の方針を「大きな一歩だ」と歓迎し、速やかな実行に期待を示した。「米側から何かを要求したということは一切ない」と述べ、防衛費増額の数値目標提示を否定した。
 国防総省は先に、GDP比5%を掲げる欧州と同水準をアジアの同盟国も目指すべきだとの見解を示している。
 両氏は会談で、威圧的な動きを強める中国を念頭に、多国間協力を深めていく重要性を確認。日米を中核に、オーストラリア、韓国、フィリピンなどとの情報共有や運用面の協力を進めていくことで一致した。
 防衛装備・技術協力についても議論し、ミサイルの共同生産や、米軍艦船・航空機の共同維持・整備の取り組みを加速させることを確認。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設などの着実な進展に向け、緊密に協力していくことも申し合わせた。 
〔写真説明〕日米防衛相会談を前に笑顔で握手する小泉進次郎防衛相(右)とヘグセス米国防長官=29日午前、防衛省(代表撮影)
〔写真説明〕防衛省に到着したヘグセス米国防長官(中央左)を出迎える小泉進次郎防衛相(同右)=29日、防衛省(代表撮影)
〔写真説明〕日米防衛相会談に臨むヘグセス米国防長官(左から2人目)=29日、防衛省(代表撮影)
〔写真説明〕日米防衛相会談に臨む小泉進次郎防衛相(右手前から3人目)=29日、防衛省(代表撮影)

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