「バイオ薬」後続品の使用促進=高額先行品は負担増も―厚労省検討

 厚生労働省は、生物由来で非常に高額な「バイオ医薬品」について、先行品と比べて安価な後続品の使用促進策の検討に乗り出した。品質や有効性が同じでも、先行品を選ぶ患者の窓口負担額を増やす案や、後続品を処方した医療機関の診療報酬を手厚くする案などを議論。医療費の抑制に向け、2026年度中の導入を目指す。
 後続品の薬価は先行品より3割ほど低いが、使用率(金額ベース)は24年度で33.7%にとどまる。後続品への切り替えによる同年度の医療費削減効果額は1103億円で、厚労省はさらに伸ばせるとみている。
 現在、保険適用されている後続品は入院患者向けが多いが、外来患者向けにも糖尿病の自己注射薬「インスリンリスプロBS」などがある。後発医薬品(ジェネリック)がある先発医薬品については昨年10月から患者の負担額を引き上げており、厚労省はバイオ薬の先行品でも同様の仕組みを設けられないか検討する。
 高額な医療費の患者負担を抑える「高額療養費制度」が適用されると、先行品と後続品のどちらを使っても負担額が変わらないため、医療機関側を含め後続品を積極的に選ばないケースがある。
 そこで医療機関が受け取る診療報酬について、患者に後続品を処方した場合は増やし、先行品は減らす案も浮上。現行でも、入院患者に一定量以上の後続品を使う医療機関の報酬を加算する仕組みがある。社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会などで議論し、年末までに結論を得たい考えだ。 
〔写真説明〕厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区

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