
埼玉県鶴ケ島市の高齢者施設「若葉ナーシングホーム」で入居女性2人が殺害された事件で、うち小林登志子さん(89)への殺人容疑で逮捕された元施設職員、木村斗哉容疑者(22)が「2人に恨みはなかった」と供述していることが16日、捜査関係者への取材で分かった。
同容疑者が2人の殺害を認め、凶器とみられるナイフを事前に購入したと説明していることも判明。県警は周到に事件を計画した可能性があるとみて、動機などの解明を進める。
捜査関係者によると、木村容疑者は2023年5月~昨年7月、介護士として施設で勤務。殺害された2人も同時期、施設に入居していた。この間、トラブルなどは確認されておらず、同容疑者も「2人に恨みはなかった」と話している。
司法解剖の結果、小林さんの死因は頸部(けいぶ)圧迫による窒息死だった。上半身の複数の切り傷に加え、首を絞められた痕が確認された。
県警によると、木村容疑者は15日午前9時前、施設から約250メートル離れた路上で身柄を確保された。近くで見つかったバッグの中に血の付いたナイフと衣類、マスクがあり、移動に使ったとみられる自転車も一緒に発見された。
施設内の防犯カメラには刃物を手に歩く男が映り、周辺では自転車に乗る姿も確認された。木村容疑者は身柄確保時、映像と同じズボンをはいていたが、上着は着替えていた。
木村容疑者は事件当日、職員用出入り口から侵入する際、在職時に把握した4桁の暗証番号を使用していた。番号は在職時から変更されておらず、施設内のすべての施錠部分で共通だった。
〔写真説明〕送検のため、埼玉県警西入間署を出る木村斗哉容疑者=16日午前、埼玉県坂戸市
〔写真説明〕入居女性2人が殺害された高齢者施設「若葉ナーシングホーム」に入る捜査員ら=16日午前、埼玉県鶴ケ島市
〔写真説明〕入居女性2人が殺害された高齢者施設「若葉ナーシングホーム」に入る捜査員ら=16日午前、埼玉県鶴ケ島市