ハマス、新たに4遺体引き渡し=1人は「別人」、イスラエル反発も

 【エルサレム時事】パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスは14日、新たに4人の遺体をイスラエル側に引き渡した。ハマスはいずれもイスラエルから拉致した人質だと説明したが、イスラエル軍は15日、検視の結果、うち1人が人質ではなかったと発表した。ハマスが意図的に人質以外の遺体を引き渡したかは不明だが、イスラエル側が合意違反と見なして反発する恐れもある。
 ハマスは13日に人質の生存者20人全員を解放した。和平案の合意では、これに加えて人質28人の遺体を直ちに引き渡す必要があるが、これまでに返還したのは一部にとどまる。
 イスラエル軍は15日の声明で「ハマスは人質の遺体返還のため、必要な努力を尽くさなければならない」と警告した。
 ただ、戦火で荒廃したガザでの遺体収容作業は難航しているもようだ。アラブメディアは、エジプト当局がイスラエルと協議し、遺体の捜索活動を行っていると伝えた。
 イスラエルは当初、遺体返還の遅滞を理由に、ガザとエジプトの境界にある検問所の開放延期を決めた。この検問所はガザへの支援物資搬入の主要ルートで、閉鎖が続けば停戦で期待されたガザの人道状況改善が進まない公算が大きい。イスラエルメディアによると、遺体の引き渡しを受けて検問所は近く再開される見通しだが、予定通り進むかは不透明だ。 
〔写真説明〕14日、パレスチナ自治区ガザ中部で、破壊された建物の近くを歩く人々(AFP時事)

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