
「うれしい驚きに尽きる」。ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大阪大の坂口志文栄誉教授(74)は記者会見で、長年の基礎研究の成果が認められた喜びを語った。
自身の研究を振り返り「免疫反応を抑える研究は人気がなかったので、少しは苦労したかもしれないが、同じ考えを持つ人が世界にいて、そういう人たちを代表して受賞できた」と謝意を示した。
会見中に石破茂首相から祝福の電話がかかってくると「頑固にやってきたことが、きょうにつながった」と述べた。
約1時間にわたった会見では「人の役に立つ」の言葉を繰り返した坂口さん。今後について、「今までは基礎研究をやってきたが、病気の治療に具体的につながるようなこともやっていきたい」と話した。
今の子どもたちへのメッセージを求められると、「スポーツでもサイエンスでも、自分の興味を大切にすると、新しいものが見えてきて、気付いたら面白い境地に達する。そういうことが起きれば、どんな分野でも面白いと思う」と笑顔でアドバイスした。
〔写真説明〕ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、記者会見する大阪大の坂口志文栄誉教授=6日午後、大阪府吹田市