
<日本女子オープン 2日目◇3日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6616ヤード・パー72>
初の年間女王を狙う佐久間朱莉が4バーディ・2ボギーの「70」で回り、トータル6アンダーに伸ばして、決勝ラウンドに進んだ。
前週の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」はトータル4オーバーで6月の「ヨネックスレディス」以来の予選落ちを喫した。2日目はバーディなしの2ボギー。2023年「JLPGAツアー選手権リコーカップ」3日目以来となるバーディなしの屈辱は、グリーン上の苦戦が大きな原因だった。
「パッティングで流れに乗れない。モヤモヤしています。きょうも苦戦しました。タッチが強くて、カップを一筋抜けてしまう。打ち切れないときもあるし…」
それでも、インから出た18番パー5は3メートルをしっかり沈め、7番パー5をボギーとした直後の8番パー4は2メートルを入れて、バウンスバックを決めた。ゴルフの状態は万全とはいえないが、「多分、いい位置で優勝争いができると思う」と自分を納得させた。
アマチュア時代も含め7年連続8度目の「日本女子オープン」の予選ラウンドは米ツアーから一時帰国した古江彩佳、年間女王を争う神谷そらと同組で回った。古江とは昨年10月の「スタンレーレディスホンダ」の初日、2日目以来となる同組ラウンド。「古江さんはシビアなパーパットを決めるし、その次のホールでバーディを取るんです。そういうことがすごく多いし、メンタルも強いんだと思います」。国内ツアー7勝、海外メジャーも制した2学年上の実力者との久しぶりのラウンドも大きな刺激となった。
この大会は昨年から競技中もギャラリーに写真や動画の撮影が許されている。ただし、写真は無音アプリを利用する場合に限られ、入場時に配布される組み合わせ表にも明記されている。だが、周知徹底とはいかない。「結構、シャッター音は鳴っています。インパクトの寸前とかもあります。スイングは止められないので、そのまま打つしかない」。男子ツアーは数年前から全試合で撮影はOKとなったが、女子ツアーは日本ゴルフ協会(JGA)が主催する「日本女子オープン」だけ。“免疫”がない分、プレーにも影響をおよぼしそうだが、「仕方ないです。ちょっと大変ですけど、自分のプレーに集中するしかない」と苦笑した。
女子ゴルファー日本一を決める大会の自己最高位は22年の6位。「ジュニアのときは日本女子アマ、日本ジュニアに優勝したいと思っていたけど、勝てなかった。プロになって、この大会でリベンジしたいです」。メルセデス・ランキングは1位をキープしているが、2位の神谷とは196.39pt差。メジャー優勝の400ptを加算すれば、女王の道は大きく広がる。(文・臼杵孝志)