
<バンテリン東海クラシック 2日日◇3日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71>
予選通過圏外の1オーバー・75位タイから出た石川遼が高い修正力を見せた。前半6つのバーディを奪って大会記録に並ぶ「29」をマークして急上昇。後半は「36」にとどまったが、この日のスコアは「65」。首位と3打差のトータル5アンダー・11位タイで週末に進んだ。
前半は前日と見違えるショットでバーディラッシュだった。1番は右ラフからの2打目をピン手前2メートルにつけてバーディ発進。続く2番パー5は2オンに成功して2パット。その後もショットが冴えて4番は1メートル、5番は4メートルを沈めてスコアを伸ばす。
圧巻だったのは7番だ。490ヤードの打ち上げと距離の長いパー4。三好CCでトップ3に入る難しいホール。ティショットをドライバーでフェアウェイに置くと、ピンまで198ヤードを6番アイアンで70センチに寄せてギャラリーを沸かせた。
8番では9メートルの距離を沈めて前半「29」。自身ハーフ20台は2018年「ダンロップ・スリクソン福島オープン」の第3ラウンドのインコース以来、3度目となった。
今大会は出場人数の関係から1時間のインターバルを挟む。「新たな気持ちで」と前半後半というよりは“別の日”の感覚でスタート。流れが少し変わって1バーディ・1ボギー。「後半はちょっとブレましたし、なかなかうまくいかなかったので、(きょうは)その印象の方が強い」と手放しでは喜べない1日となった。
なかでも「もったいない」として挙げたのは3つのミス。11番のティショットを左に曲げてフェアウェイバンカーへ。「バンカーの左に入るとグリーンが狙えない状況になる」といってはいけないところに打った1打。そして12番パー5は3打目のバンカーショットを「1~1.5メートルに寄せたいところ2.5メートルぐらいにしか寄せられなかった」とバーディ逃しを悔やむ。そして13番パー3のティショットは、15~16メートル手前にオンして3パットを誘発した。
後半のラウンドの印象が強く、悔いが残る話しが多かったが、「65」はこの日のベストスコアである。データを見ると初日のフェアウェイキープ率は28.571%(60位タイ)でパーオン率は50%(94位タイ)。この日はフェアウェイキープ率71.429%(1位)、パーオン率94.444%(1位タイ)と大幅にショットが改善されたことが分かる。
初日のホールアウト後は練習場でスイングを見直した。「ダウンスイングでフェースが開き気味かなというのがあった。シャフト1~2本分のレベルですが自分が収めたい位置からしっかりダウンスイングが下ろせてきました」と、崩れても修正ポイントを把握しているため、この日の前半の猛チャージにつなげることができた。
この日のラウンド後はバンカー練習場で長時間過ごし、きょうのミスもしっかり修正して臨む。
前戦の「ANAオープン」ではプレーオフ惜敗ながら今季最高の2位に入り、今週も上位進出を狙える位置で決勝ラウンドに入る。「すごく楽しみです。きのうのスコアからいくと(きょうは)予選カットラインでの戦いになると正直思っていましたが、前半からいいショット、いいパットが続けられて少しずついい内容にはなってきている。(あす以降も)続けられれば」と2009年以来の大会2勝目も見据える。(文・小高拓)