自衛隊の公式動画に「見慣れぬ新装備」がチラ映り! じつは“離島防衛の切り札”でした

陸上自衛隊が公開した日米共同演習「レゾリュート・ドラゴン25」の映像に、なにやら見慣れぬ装備品が映り込みました。じつはこれ、2024年度に試験が完了したばかりの新装備でした。

コストダウンを図りながらも性能アップ!

 陸上自衛隊第8師団が2025年9月29日に公式YouTubeチャンネルにて公開した日米共同演習「レゾリュート・ドラゴン25」の動画に見慣れぬ自衛隊装備が映っていたとして、SNSで話題になりました(動画は現在、削除されて存在せず)。

 本演習は9月11日から25日にかけて実施されましたが、動画では高機動車の荷台に円柱形のミサイル発射筒を6本束ねた起倒式の発射機を載せたものが見られました。この正体は2024年度まで試験が実施されていた新型装備「多目的誘導弾システム(改)」ではないかと推測されます。

 多目的誘導弾システム(改)は、現在、陸上自衛隊が運用している光ファイバー式の誘導ミサイル「96式多目的誘導弾システム」の後継となる装備です。96式多目的誘導弾システムは、ミサイル先端の赤外線シーカーが捉えた映像を画面で確認しながら目標への誘導が可能な仕組みで、高性能ながらも全体として高額・複雑なシステムとなっていました。

 そこで、コストダウンを図りつつ同時多目標対処能力や射程延伸などの性能向上を図ったのが、今回確認された多目的誘導弾システム(改)です。開発は2019年度から2024年度にかけて行われ、防衛省が2025年8月末に公開した2026年度予算の概算要求では、合計11セット(248億円)の取得が盛り込まれています。

 前任の96式多目的誘導弾システムが、ミサイル発射装置や誘導装置など合計6台もの車両で構成されていたのに比べ、多目的誘導弾システム(改)では発射装置、捜索評定装置、指揮統制装置と、半分の3台で構成されています。

 また、シーカー性能や処理能力の向上により、ミサイルを索敵手段として活用できるともいわれており、これまでよりも幅広い任務に活用できるほか、射程延伸により遠距離で敵の上陸用舟艇やホバークラフトなどを撃破することが出来ます。

 現在、中国は台湾情勢を念頭に水陸両用戦力の質的・量的向上を図っていますが、尖閣諸島を含めた多数の離島を抱える日本にとっても、これは他人事ではありません。そこで、迫る脅威を遠距離かつ同時に撃破可能なのが多目的誘導弾システム(改)になります。

 本システムは、まさにこれからの「離島防衛の切り札」と言えるでしょう。

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