石井前参院議員を在宅起訴=秘書給与820万円詐取―事務所スタッフも・東京地検

 石井章前参院議員(68)=辞職、日本維新の会を除名=が国から秘書給与をだまし取ったとされる事件で、東京地検特捜部は30日、詐欺罪で、石井氏と事務所スタッフだった会社員大川香留氏(60)を在宅起訴した。認否は明らかにしていない。
 起訴状によると、2人は石井氏が理事長を務める社会福祉法人の従業員と共謀し、2021年4月、この従業員を公設第2秘書に採用したとする虚偽の書類を参院事務局に提出。同年5月から22年10月まで21回にわたり、計約828万円を国からだまし取ったとされる。
 関係者によると、この従業員は石井氏の親族で、これまでの任意の事情聴取に「勤務実態はなかった」と供述していた。特捜部は従業員については起訴猶予とした。
 一方、石井氏はこれまでの調べに関与を認めていないもようだ。特捜部は、逃亡や証拠隠滅の恐れは低いとみて在宅のまま起訴した。
 関係者によると、従業員名義の口座に振り込まれた給与は大川氏が管理し、事務所経費などに充てていたとみられる。
 特捜部は8月27日、東京・永田町の議員会館や地元・茨城県取手市の事務所など関係先を家宅捜索。石井氏や事務所関係者から任意聴取し、秘書の勤務実態や資金の流れなどを調べていた。
 石井氏は捜索後の同29日、辞職して捜査に全面協力するとのコメントを発表。9月1日に議員辞職した。
 日本維新の会の中司宏幹事長は「あってはならないことで、有権者の皆さんにおわびする。所属議員がルールを順守する意識を強く持つよう呼び掛け、信頼回復に努める」とするコメントを出した。 
〔写真説明〕石井章 前参院議員

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