被災地支援を制限=国軍、選挙見据え―ミャンマー大地震半年

 【バンコク時事】ミャンマー中部を震源とする大地震は28日、発生から半年となった。クーデターで実権を握った国軍は、抵抗勢力が支配する一部被災地への支援を制限している。12月から実施予定の総選挙を見据え、統制を強化する狙いがありそうだ。
 3月28日に起きたマグニチュード(M)7.7の地震は第2の都市マンダレーや北部ザガイン地域などに甚大な被害をもたらした。国軍によると3700人以上が死亡、5100人以上が負傷した。
 ミャンマーでは2021年のクーデター後、民主派や少数民族武装勢力と国軍の内戦が激化。ザガイン地域の一部は民主派の影響下にある。
 国軍は今年8月、12月28日から総選挙を開始すると発表した。親軍政党による政権を樹立して「民政移管」を演出し、内外に統治の正統性を示す狙いがある。選挙に向けては支配地域の拡大を目指して抵抗勢力への攻勢を強めている。
 国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、ザガイン地域への支援は7月以降制限され、燃料や医薬品、発電用のソーラーパネルといった物資の輸送や、現金提供などがほぼ停止された。民主派側に渡ることを防ぐ狙いがあるとみられる。
 グランディ国連難民高等弁務官は9月、ミャンマーを訪問し、避難生活を送る被災者らと面会。「(内戦や災害による)何百万人もの避難民は、ただ故郷に帰ることを切望している。全当事者は、国際社会の支援を得て解決に向けて真剣に取り組む必要がある」と訴えた。 
〔写真説明〕3月28日に発生したミャンマー中部を震源とする大地震で崩壊した建物の跡地=16日、中部マンダレー(AFP時事)

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