イスラエル首相、パレスチナ承認「狂気」=複数の代表団が退席―国連総会

 【ニューヨーク時事】イスラエルのネタニヤフ首相は26日、国連総会の一般討論演説で、英仏などによるパレスチナの国家承認が相次いだことについて「狂気の沙汰で、正気ではない」と強く反発した。「恥ずべき決定でテロを助長する」として、受け入れない姿勢を鮮明にした。
 ネタニヤフ氏が登壇すると、イスラエル代表団などが拍手を送る中、複数の代表団が続々と退席。空席が広がる議場に向け、約40分にわたり自国を正当化する演説を続けた。
 ネタニヤフ氏は、パレスチナの国家承認によって「『ユダヤ人を殺せば報われる』というメッセージを送った」と訴え、パレスチナ自治区ガザでジェノサイド(集団殺害)や飢饉(ききん)が指摘されていることについては「事実は全くの反対」と主張。パレスチナ側が、選挙の実施やイスラム組織ハマスの統治からの排除などを表明していることも「数十年にわたってこういったことを約束したが、一度も守ることはなかった」と一蹴した。
 また、中東の地図を手に各地の「テロ集団」を排除したと戦果を誇り、「今イスラエルに戦争を仕掛けている者は、いずれ姿を消す。中東の景色は様変わりする」と警告。対イラン制裁の復活に期待する一方で、シリアについては「新政府との真剣な交渉を開始した」と述べ、両国の「安全を守る合意」に意欲を示した。
 ネタニヤフ氏は演説中、何度もトランプ米大統領に謝意を示し、米国との連携を強調。23日から始まった一般討論演説では、ガザの状況を巡って各国首脳から非難が相次いでおり、イスラエルと米国の孤立が際立つ状況となっている。 
〔写真説明〕26日、ニューヨークで国連総会の一般討論演説を行うイスラエルのネタニヤフ首相(EPA時事)

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