
自民党の高市早苗前経済安全保障担当相(64)は18日、党総裁選(22日告示、10月4日)に出馬する意向を表明した。国会内で記者団に「今、必要なのは未来への不安を夢や希望に変える政治、危機を克服する強い政治だ」と決意を語った。林芳正官房長官(64)も国会内で記者会見し、正式に立候補を表明。実質賃金1%上昇の定着などの重点政策を「林プラン」として打ち出した。
高市氏は「自民が何を目指す政党なのかを訴える素晴らしい機会だ」と強調。19日に会見し、減税と現金給付を組み合わせる「給付付き税額控除」の検討などを訴える。
高市氏の挑戦は3回目。昨年の総裁選は初回投票で首位になり、上位2人の決選投票に進んだ。保守層を中心に期待する声が根強く、5人の争いとなる見通しの今回も、有力候補の一人と目されている。
林氏は「岸田、石破両政権の流れを受け継ぎ、新しいものを付け加える」と強調。重点政策には、持続可能な社会保障制度の構築や、党改革の推進も盛り込んだ。
物価高対策を巡っては、消費税減税に否定的な立場を示し、自民が参院選で掲げた一律の現金給付も「公約が受け入れられた結果ではなかった」と見直しを示唆。欧州の事例を参考に、低・中所得世帯を税と社会保障の負担に応じて支援する「日本版ユニバーサル・クレジット」創設を掲げた。
野党との連携に関しては「政策実現のため、誰とどういう形でやればいいのか、その時その時で考えるべきだ」と述べるにとどめた。
衆院の選挙制度改革に向け、与野党協議を呼び掛ける考えを示し、「中選挙区制の良さを見直すべきだ」と再導入の検討を主張。省庁再編の必要性も訴えた。
小泉進次郎農林水産相(44)は首相経験者の岸田文雄、麻生太郎、菅義偉各氏と相次ぎ面会し、出馬の意向を伝えた。
茂木敏充前幹事長(69)は国会内で陣営の会合を開き、選対本部長に梶山弘志元経済産業相が就くことを決めた。小林鷹之元経済安保相(50)は地元の千葉県議会を訪問して立候補を報告した。
〔写真説明〕自民党総裁選に出馬する意向を表明し、取材に応じる高市早苗前経済安全保障担当相=18日午後、国会内
〔写真説明〕自民党総裁選に出馬を表明し、記者会見する林芳正官房長官=18日午後、国会内
〔写真説明〕自民党総裁選に向け、千葉県議と気勢を上げる小林鷹之元経済安全保障担当相(前列中央)=18日午後、同県議会
〔写真説明〕支援議員との会合で発言する自民党の茂木敏充前幹事長=18日午後、国会内