小林鷹氏、定率減税を提起=「世代交代」主張―小泉・林氏も出馬表明―自民総裁選

 自民党の小林鷹之元経済安全保障担当相(50)は16日、国会内で記者会見し、石破茂首相の後継を決める党総裁選(22日告示、10月4日投開票)への立候補を正式に表明した。若者や現役世代を対象に、期限を区切った所得税の定率減税を提起。小泉進次郎農林水産相(44)と林芳正官房長官(64)も出馬の意向を示した。
 小林氏は立候補の理由として「自民を再起動させる。世代交代が必要だ」と強調。主要論点となる連立政権の枠組み拡大について「自民の基本的なスタンスが固まる前に数合わせすることは本末転倒だ」と述べ、慎重に検討する姿勢を示した。
 定率減税に関し、高所得層優遇にならないよう減税額に上限を設けると説明。2年程度を想定している。定率減税とは別に「分厚い中間層を支えていける所得税の在り方」を追求し、1年程度で結論を出すと語った。
 安全保障面では、国内総生産(GDP)比2%の防衛費では「足りない」と指摘。増額のため国家安保戦略を改定する方針を打ち出した。憲法改正は自衛隊の明記と緊急事態条項創設を優先し、総裁任期中の国会発議を目指すと訴えた。
 野党が掲げる消費税減税に関し、将来的な選択肢として否定しなかった一方、「物価高に対して消費減税はしない」と述べた。地方への投資を通じて雇用を増やし、賃金上昇につなげるとした。
 小泉氏は閣議後の会見で「後援会の皆さんに意向を伝えた」と語り、「正式表明に向け一つ一つ積み上げていきたい」と明言した。加藤勝信財務相が選対本部長に就くことも明らかにした。
 林氏は国会内で記者団に「石破首相の気持ちを受け継ぎ、この国のかじ取りをしたい」と強調。賃上げを重視する立場を示した。週内に会見し、政策について説明する。
 小泉、小林両氏が総裁選に挑むのは昨年に続き2回目。林氏は2012年と昨年の総裁選に立候補した。
 茂木敏充前幹事長(69)は既に出馬の会見を行った。高市早苗前経済安保相(64)も週内に会見し、21年と24年に続く挑戦を表明する見通しで、5人の争いになりそうだ。 
〔写真説明〕自民党総裁選に出馬の意向を表明した(写真右から)林芳正官房長官、小林鷹之元経済安全保障担当相、小泉進次郎農林水産相=16日、東京都内
〔写真説明〕視察先のスーパーで買い物をする自民党の茂木敏充前幹事長=16日、東京都練馬区

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