
陸上の世界選手権東京大会の男子3000メートル障害決勝で15日、三浦龍司(SUBARU)が8分35秒90で8位に入った。6位だった前回に続く入賞。最終盤までメダル争いを繰り広げ、日本勢の男子長距離トラック種目で初の快挙に迫った。
ラスト1周の激しいスパート勝負。バックストレートでぐんぐん順位を上げ、3番手付近につけて最後の直線に入った。「残り数十メートル。メダルが見えた」。しかし、ゴール目前の障害物を越える際、後続のセレム(ケニア)と接触するアクシデント。その後にも腕がぶつかり、バランスを崩して急失速した。
3位のセレムとの差はわずか1秒34。入賞は死守したものの、「悔しさはすごく大きい」。痛めていた右足首が大会直前に悪化。本来は水濠(ごう)や障害物を越えるハードリングが強みだが、「不安があった」と明かす。
19歳で出場した2021年東京五輪で7位入賞。当時は原則無観客だった。再び巡ってきた同じ国立競技場での大舞台で、「4年前より確実に成長できている」と自信を持って言えた。5万人を超える観客から受けた地鳴りのような大声援には、「宝物になる思い出」と深く感謝した。
世界最高峰のダイヤモンドリーグを転戦して磨いた対応力、鋭さを増したスパートなど、今持てる力は出し切った。「さらに成長できる」。悔しさと、表彰台にまた一歩近づいた確信が一層の飛躍の原動力となるはずだ。
〔写真説明〕男子3000メートル障害決勝、力走する三浦龍司(右から2人目)=15日、東京・国立競技場
〔写真説明〕男子3000メートル障害決勝、力走する三浦龍司(中央)=15日、東京・国立競技場