
【ワシントン時事】トランプ米大統領は16日から国賓として英国を訪れる。トランプ氏の国賓訪英は1期目の2019年6月以来で2度目。英側は「異例」(英メディア)の待遇でトランプ氏を出迎え、同盟関係を軽視するトランプ政権のつなぎ留めを図る。
トランプ氏はメラニア夫人と共に16日に英国入りし、17日にロンドン近郊のウィンザー城でチャールズ国王夫妻と面会する予定。歓迎行事や昼食会に臨むほか、ウィンザー城内の聖ジョージ礼拝堂を訪れ、エリザベス女王の墓に献花する。夜には国王主催の晩さん会に出席する。
トランプ氏は18日、スターマー英首相と会談し、ロシアのドローンによるポーランドの領空侵犯などを議論する見通し。その後、共同記者会見に臨む。トランプ氏はロシアの侵犯を「ミスだったかもしれない」と指摘しており、両首脳の認識が一致するかが焦点だ。
英メディアによれば、両首脳は会談を通じ、人工知能(AI)や民生用原子力の分野で協力を強化する方向で調整。トランプ氏の訪英には「チャットGPT」を提供する米オープンAIのアルトマン最高経営責任者(CEO)や米半導体大手エヌビディアのフアンCEOが同行する。
スターマー氏は11日、少女らへの性的搾取事件で起訴され自殺した米富豪エプスタイン被告との親交が明らかになったマンデルソン駐米大使を解任。事件では、被告と親しかったとされるトランプ氏も米国内で厳しい追及にさらされており、大使解任がトランプ氏の訪英に影響する可能性も指摘されている。
〔写真説明〕ロンドンのバッキンガム宮殿で催された晩さん会に出席するトランプ米大統領(左)と故エリザベス英女王=2019年6月(AFP時事)