頭部に衝撃を受けるスポーツは脳疾患発症率が高い

アメリカンフットボールやボクシングといったスポーツ選手間の接触の多いスポーツは、鍛え上げられた肉体同士がぶつかる、非常にエキサイティングなものがありますよね。ただ、こういった頭部に衝撃を受けるスポーツに関して、あるショッキングな研究結果が明らかとされています。

激しいコンタクトスポーツは脳疾患の発症リスクが高い
選手間で接触が多く、その際頭部に衝撃を受けるようなスポーツにおいて、選手には頭部衝撃が原因でのちに脳機能低下や異常に悩まされることになる、脳疾患の発症が多く見られることがアメリカの研究で明らかとされているようです。具体的には、慢性外傷性脳症(CTE)という進行性の疾患で、数ヶ月といった短期間から数年といった長期間を得て、抑うつや攻撃性や自殺願望といった精神症状や、認知機能の低下、パーキンソン病に似た症状が現れるとのこと。アメリカンフットボールやボクシングのようなスポーツは、何度頭部へ衝撃が加わろうとも選手はものともすることなく応戦してはいますが、着実に脳にはダメージが蓄積しているというわけなのですね。

一旦発症すれば症状は進行する
上述した頭部衝撃が原因で起こる慢性外傷性脳症の怖いところが、一旦発症すれば徐々に神経障害や認知症が色濃く現れてくる進行性の疾患であることです。だから頭部ダメージを受けた当時はなんともなくとも、後ほど症状が現れてくることがあるということです。そしてどの程度頭部に衝撃が加わることで発症するかという明確なデータも明らかとなっていないので、現状では頭部衝撃を受けた時点で、慢性外傷性脳症のリスクを覚悟しておくほかないのです。

アメフト選手の9割が慢性外傷性脳症を発症?!
引退したアメリカンフットボール選手の脳の状態を調査したところ、およそ9割にも及ぶ選手の間で慢性外傷性脳症を発症していることがアメリカの研究でわかったようです。それもキャリアが長く、レベルの高い選手ほど発症の割合が高いこともわかっています。ちなみに彼らの中で慢性外傷性脳症が原因で、自殺した方、認知症、パーキンソン病を患った方は多くいます。つまり慢性外傷性脳症は精神異常・認知機能低下を引き起こす”かもしれない”疾患ではなく、実際に引き起こされている疾患であるということ。わたしたちはスポーツを問わず、頭部に衝撃の加わることにはくれぐれも注意しておく必要があるでしょう。関連の(脳ドックの必要性)も要チェック。激しいスポーツをしていなくても自分の脳の状態を把握しておくのは大切なことです。

writer:サプリ編集部

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