韓国大統領、対日連携強化に意欲=「石破氏退任後は困難も」―就任100日で記者会見

 【ソウル時事】韓国の李在明大統領は11日、就任から100日を迎え、ソウルで記者会見した。対日関係について、歴史や領土問題で立場の違いがあっても、経済や民間交流などで「協力できることが多い」と述べ、日本の次期政権との連携強化に意欲を表明した。ただ、石破茂首相の退任後の両国関係に関しては「難しくなる」との認識も示した。
 韓国で、石破氏は「歴史問題で穏健」「友好的」とみられてきた。李氏は8月下旬、就任後初の訪日で石破氏と会談し、日韓関係を「未来志向」で発展させると確認した。
 李氏は会見で「日本の首相が誰かということは重要ではない」として、次期首相と対話を重ねていく方針を示した。また、日本が主導する「包括的および先進的な環太平洋連携協定」(CPTPP)への加入を念頭に「経済分野で日本との新たな協力の枠組みが必要だ」と呼び掛けた。
 その上で、「石破氏の退陣で日韓関係が後退するとの見方がある」との日本人記者の指摘に対して「われわれもそう思う」と明言。次期首相として誰を想定しているか具体的な言及は避けつつ、「(有力候補の)2人(の外交方針)は似ているそうだ」と話した。
 日本が今月13日に開く世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)の労働者追悼式に関しては、「(日本側と)意見の一致が難しく、今回は参加しない」と説明。日本側と協議を続ける考えを示した。
 一方、米南部ジョージア州で建設中の現代自動車の工場で、韓国人300人以上が拘束された問題を巡り、「米国で工場を建設する際に不利益や困難があれば、企業は悩まざるを得ない」と指摘。「今後の対米直接投資に大きな影響を与える可能性がある」と述べた。さらに「工場建設には機械設備の設置に関する技術が必要だが、米国にはこのような人材がいない」と主張。韓国人技術者の滞在を認めるよう米国に働き掛けていくと明らかにした。 
〔写真説明〕11日、就任100日を迎えソウルで記者会見する韓国の李在明大統領(EPA時事)

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