
立憲民主党の野田佳彦代表は11日の両院議員総会で、新たな執行部人事を発表し、了承された。党運営の要となる幹事長にはベテランの安住淳元財務相(63)を起用。政調会長に当選2回の本庄知史衆院議員(50)を充てるなど、複数の若手議員を抜てきした。野党の多党化が進み、与党が衆参両院で過半数割れの状況に陥る中、野党第1党の党運営と指導力が改めて問われそうだ。
野田氏の党運営に距離を置いてきた党内最大グループ「サンクチュアリ」から近藤昭一元環境副大臣(67)が代表代行に、逢坂誠二元代表代行(66)が選対委員長に就任した。代表代行となる吉田晴美衆院議員(53)と、新設の広報委員長に起用された渡辺創衆院議員(47)も本庄氏と同じ当選2回。「事実上の敗北」と総括した参院選を踏まえ、挙党態勢の構築を図りつつ、積極的に若手を登用し、課題である若年層などへの浸透を強める狙いだ。
野田氏は記者団に対し、「安定感と刷新感のバランスに留意した」と人事の狙いを説明。「政権を取りにいくための執行部」と位置付けた。自民、公明両党の連立政権に加わる「大連立」の可能性を問われると、「あくまで政策実現への連携を追求する」と否定した。
安住氏は記者団に「党の立ち位置は穏健中道リベラルだ。常識を持ち、まともなことを堂々と言える党に変えていく」と宣言。「次の衆院選で自民党と比較第1党を争うのは立民しかない。コンセンサスを得てリアルな政策を作っていく」と述べ、財源論などに関し「責任政党」の立場を重視する考えを示した。
安住氏は自民との関係について「ライバルとして対峙(たいじ)するときと、比較第1、2党で話をするときのメリハリを付けていく」と説明した。
一方、野田氏に批判的な小沢一郎衆院議員は11日、国会内で江田憲司元代表代行と会談し、「党風刷新」に向けた党内勉強会を立ち上げる考えで一致した。
〔写真説明〕両院議員総会を終え、記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表=11日午後、東京・永田町の同党本部
〔写真説明〕両院議員総会を終え、ポーズを取る野田佳彦代表(前列右から3人目)、安住淳幹事長(同4人目)ら立憲民主党新執行部メンバー=11日午後、東京・永田町の同党本部