バイル内閣、不信任で総辞職=政治混迷、数日内に新首相

 【パリ時事】フランス国民議会(下院、定数577)は8日、少数与党のバイル内閣に対する信任投票を行い、反対多数で否決した。バイル首相が財政健全化を懸けて投票を提案したが、野党各党は支持しなかった。前内閣に続き不信任を突き付けられたバイル内閣は発足から8カ月半で総辞職。昨年夏の総選挙以来の政治の混迷が一段と深まった。求心力の低下が著しいマクロン大統領にとっても打撃だ。
 公共放送によると、バイル氏は9日、マクロン氏に辞表を提出、受理された。後任が決まるまで職務執行は続ける。混乱の長期化を避けるため、マクロン氏は解散・総選挙を選択せず、「数日内」に新首相を任命する。
 次期首相にはルコルニュ国防相(39)、ロンバール経済・財務相(67)、ブロンピベ下院議長(54)らの名前が取り沙汰されている。
 ただ、下院ではマクロン氏を支える中道勢力と保守・共和党の連立与党、野党の左派、極右の主要3陣営が激しく対立し、過半数に支持される内閣の樹立は困難な情勢。バルニエ前内閣も昨年12月に緊縮型予算案を巡る不信任決議で総辞職に追い込まれており、次期首相が難しいかじ取りを迫られるのは必至だ。
 8日の採決結果は賛成194、反対364と大差がついた。バイル氏は演説で「(借金増大の)放置が最大のリスクだ」と主張。これに対し野党は「混乱の責任は大統領と首相にある」(社会党)、「下院解散は義務だ」(極右)と反論した。 
〔写真説明〕8日、フランス国民議会(下院)で、内閣に対する信任投票に臨むバイル首相(EPA時事)

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